円は20年ぶり安値に下落も-日本の投資家や投機筋が利回り追求

円は20年ぶりの安値に下落する可能性があ る。日本の個人投資家がシカゴ商業取引所(CME)で円売りを行う投機筋に 追随していることが背景。

日本銀行がまとめた指数によれば、円は日本の主要貿易相手国の通貨に対 し、1985年以来の安値に接近している。日本の投資家による先月の外国債券投 資は過去最高を記録した。シカゴの先物トレーダーは、円安を見込んだ取引を 97億4000万ドル相当に膨らませている。

円は過去4カ月に対ドルで4.3%下落した。背景には、日本の景気回復が鈍 り、日銀は年内、追加利上げを見送る可能性が示唆されていることがある。こ うしたなか、低金利が持続するとの観測から、日本の投資家による海外投資が 加速している。

クレディ・スイス・グループ(ニューヨーク)のシニア通貨ストラテジス ト、ララ・レーン氏は、「さらに大量の資金流出がみらえるだろう」と述べ、 「日本の投資家を海外に向けているのは利回りだ」と指摘した。

クレディ・スイスは円の対ドル相場の3カ月後の見通しを1ドル=118円、 1年後の見通しを120円としている。円は先週、対ドルで0.9%上昇し、116円 56銭で終了。対ユーロでは149円に下落した。日銀がまとめた円の8月の貿易 加重インデックスは102.6と、1985年10月以来の低水準にあと0.4ポイントに 迫る水準。

政府統計によると、日本のファンドマネジャーによる先月の外債投資の買 い越し額は3倍に拡大し195億ドル。日本の外貨ファンドの純資産総額は8月 に過去最高の24兆2000億円と、前年同月比で45%増えた。

欧米のファンドマネジャーが、低利の円で資金を借りてニュージーランド やアイスランドなどの高金利通貨の国に投資する「キャリートレード」を行っ ていることも円売り圧力となっている。

CMEの先物取引のデータによると、9月19日時点で円安を見込んだショ ート(売り持ち)ポジションはロング(買い持ち)ポジションを9万804枚上 回っていた。2週間前は6万6498枚の差だった。

日本の金利見通しが変化したのは、8月25日発表の7月の消費者物価指数 上昇率が0.2%に減速したことがきっかけだ。ブルームバーグの今月のエコノミ スト調査によると、15人中10人が年内は追加利上げを実施しないと予想した。

一方、欧州中央銀行(ECB)の政策金利は年内に少なくとも2回引き上 げられるとの見方が金利先物の動きに反映されている。米政策金利は5.25%で 据え置かれると見込まれている。

東京三菱UFJ銀行のロンドン在勤の世界為替調査責任者ポール・チャー トコウ氏は、「日本の投資家は利回りを追求している。全く単純なことだ」と述 べた。同氏は円が年末までに120円に下落すると予想している。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE