トヨタ株が安い、米販売鈍化見通しで強さにかげり-ドイツ証は格下げ

トヨタ自動車が安い。国内の自動車販売 が停滞しているうえ、過去最高を記録している米国の販売台数も来年は伸び率 が鈍化する見通しを示していることから、自動車セクター内の優位性が低下し、 投資対象としての魅力がやや薄まってきたとみられている。午前終値は前日比 100円(1.6%)安の6180円。

ドイツ証券は19日付で、トヨタ自動車の投資判断を「Buy」から「Hold」 に引き下げた。持丸強志アナリストは投資リポートの中で、「国内販売の力強 い回復感が期待しがたいうえ、北米とアジア事業の利益拡大の頭打ち傾向が懸 念される。品質強化や販売にかかる費用が増加するとみられることなどから、 1ドル=110円を前提にすると、下期は再び減益局面を迎えるなど収益拡大ペ ースがスローダウンする可能性が高い」ことを指摘する。

トヨタの1-8月の米販売台数は前年同期比11%増の170万5000台と、 1-8月として過去最高を記録した。米国のガソリン価格が比較的高水準で推 移したことにより、小型車「カローラ」やコンパクトカー「ヤリス」(日本名 ヴィッツ)、ハイブリッド車「プリウス」など燃費の良い車種の需要が伸びて いる。しかし米国トヨタ自動車販売の広報担当ザビエル・ドミニチス氏は13 日、過去3年間続いた年10%の販売台数の伸びに対して、来年は現段階で 「3%、4%、5%といった穏やかな成長を予想している」と語った。

ERのプレミアム縮小、レクサスてこ入れ策

ドイツ証ではこれまで、トヨタのEPS(1株当たり当期純利益)成長率 が自動車メーカーの平均を20%上回っていることから、セクター平均PER (株価収益率)に20%のプレミアムをつけて目標株価を出していたが、EPS 成長率の鈍化を考慮してプレミアムを15%に縮小し、目標株価を7200円から 6700円に引き下げた。

トヨタは19日、高級車ブランド、レクサスの旗艦車種となる「LS46 0」を発表し、同日発売した。国内でレクサスの展開が始まって1年が経過し たが、販売は目標の半分以下にとどまっており、「LS」の投入で巻き返しを 図る。ただこの発表で、「当面のニュースフローに出尽くし感がある。20日開 催の経営説明会でポジティブサプライズを伴う内容は見込みづらい」(持丸 氏)ことから、株価を押し上げる要因が見当たらなくなる。

タイのクーデターも

また、タイで軍部によるクーデターが発生したことで、「同国に進出して いる自動車メーカーなどの生産や販売に影響を与える可能性」(高木証券トレ ーディング部・菊池重夫次長)への懸念が、自動車株の下げにつながっている 側面もある。

タイの軍部隊幹部は19日、首都バンコクの実権を掌握したと国営テレビ を通じて表明した。国連総会出席のため米ニューヨークを訪問中のタクシン首 相は非常事態を宣言し、国営テレビを通じてソンティ陸軍司令官を解任した。

日本の自動車メーカーでは、日産自動車やマツダが現地工場の操業を停止 し、ホンダも四輪工場の日中シフトの操業を見送っている。一方三菱自動車や スズキは平常どおりの操業。

--共同取材 小松 哲也 井上 加恵   Editor:inkyo

(81)(3)3201-8955 masai@bloomberg.net 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo

(81)(3)3201-3651 yokubo1@bloomberg.net

Peter Langan

(81)(3)3201-7241 plangan@bloomberg.net

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE