タイ格付け引き下げの可能性、クーデターで政治危機の恐れ-S&P

米格付け会社のスタンダード・アンド・プ アーズ(S&P)はタイでの軍事クーデター発生を受けて19日夜、同国の債務 格付け「BBB+」を引き下げ方向で見直すと発表した。同国の「政治情勢悪 化が長引く可能性」を指摘した。

S&Pの英国在勤のマネジングディレクターでソブリン格付け責任者のデ ービッド・ビアーズ氏は20日シンガポールでインタビューに答え、クーデター は「長期にわたる」政治的危機につながる可能性があり、景気に悪影響を及ぼ し格下げにつながる恐れがあると述べた。

タイ軍部と警察の指導部は、抵抗を受けることなく実権を掌握したとして、 タクシン首相を解任したと発表した。ソンティ陸軍司令官が暫定的に首相の職 務を代行している。

ビアーズ氏は、S&Pが注視するのは「政情不安がいかに迅速に解消され るかだ。懸念されるのは、同国が長期にわたる政治的危機の時代に逆戻りする ことだ」と述べた。

また、「クーデターが短期で解決せず政治的危機にまでエスカレートし、 財政基盤や信用力を損なうような政策が取られるようになれば」、同国の格付 けを引き下げるだろうと語った。

同氏は同時に「タイのファンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)がアジ ア金融危機当時に比べ大きく改善している」と述べ、クーデターが「近隣地域 に大きな影響を与えることはないだろう」との見通しを示した。

市場への影響では「このような状況が短期的に為替相場を押し下げるのは 必至だ」としながらも、「タイの財政状態が良好であることから、このような 不安定期を乗り切ることができるだろう」と予想した。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE