NY外為:ドル下落-FOMCは金利据え置き、インフレ緩和を指摘

ニューヨーク外国為替市場では、ドルが は対ユーロと対円で下落。米連邦公開市場委員会(FOMC)が金利据え置き を発表し、インフレが緩和する可能性を指摘した後、売りがかさんだ。

欧州中央銀行(ECB)が利上げを継続する一方で、FOMCは一連の利 上げ局面を終結する可能性があるとの観測が広がるなか、ドルは対ユーロで年 初来約7%下落している。

パトナム・インベストメンツ(ボストン)で運用に携わるパレシュ・ウパ ダヤ氏は、「市場はインフレ圧力が依然抑制されているとみているようで、こ のため金利据え置きは継続可能だとするFOMCの見方が支持されている」と し、「インフレ圧力が引き続き抑制されることになれば、金利面でのドル支援 材料が弱まるとみている」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時15分現在、ドルは対円で1ドル=117円44銭 と、前日遅くの同117円76銭から下落。ドルは対ユーロでも1ユーロ=

1.2687ドルと、前日遅くの同1.2678ドルから下げた。

ブルームバーグ・ニュースがまとめた110人のエコノミストを対象とする 調査では、回答者全員が今回の金利据え置きを予想していた。

FOMC後に発表された声明では、コアインフレの数値が上昇してきたほ か、高水準にある資源利用や、エネルギーなどの商品価格がインフレ圧力を維 持する可能性があると指摘。しかしながら、エネルギー価格による影響低下と インフレ期待の抑制、金融政策の累積的効果、その他総需要を抑制する複数の 要因を反映し、インフレ圧力は時間をかけて落ち着く可能性が高いと指摘した。

金利先物相場

金利先物相場は、年内にFOMCが金利を5.5%に引き上げる可能性をト レーダーが9%織り込んだ水準となっている。18日時点ではこの確率は22%、 1カ月前は50%だった。今後年内のFOMCは10月24、25日と12月12日に 実施される。

バンク・オブ・ニューヨークのシニア為替ストラテジスト、マイケル・ウ ールフォーク氏は、「FOMCは年内に利上げを実施しない可能性がある」と し、「これはドルには弱材料だ」と指摘した。

米10年債利回りは年限がほぼ等しいドイツ国債の利回りを0.96%ポイン ト上回っている。5月にはこの格差は約1.2%ポイントまで拡大していた。

ただ、FOMC声明は、「一部インフレリスクは残る」との見方を示し、 こうしたリスクを是正するため、追加的な金融引き締めが必要になる可能性が あるが、その程度と時期については、これから明らかになる情報に基づくイン フレと経済の見通しの変化に左右されるとした。このため、ドルの下落は限ら れた。

FOMCのメッセージ

インベスターズ・バンク&トラスト(ボストン)の上席通貨ストラテジス ト、ティム・マザネク氏は、「引き続きインフレ高進のリスクが存在する」と した上で、「ドルは実際、安定している」と指摘した。

ドルはFOMCの政策決定発表前から対ドルで既に下落していた。タイで 19日に起きたクーデターを受けたタイ・バーツの下落が、アジア全域の危機ま で発展しないとの見方が背景にあった。

中国を訪問中のポールソン米財務長官は20日、タイ情勢の世界の他市場 への「波及はみられていない」と指摘した。トレーダーは前日の売りから、こ の日は円を買い戻した。

フォレックス・キャピタル・マーケッツのシニア通貨ストラテジスト、ボ リス・シュロースバーグ氏(ニューヨーク在勤)は、「地域的な波及はみられ ていないようだ」とし、「地政学的リスクは現時点では大きくはならないよう だ。この状況が持続すれば、円は続伸しよう」と述べた。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE