安倍氏「改革」、谷垣氏「創造」、麻生氏「選挙」-街頭演説で第一声

小泉純一郎首相の後継「ポスト小泉」を決 める自民党総裁選(20日投開票)に立候補した安倍晋三官房長官、谷垣禎一財 務相、麻生太郎外相の3氏は9日夕、東京のJR秋葉原駅前で街頭演説を行っ て第一声を挙げ、それぞれの政権構想を表明した。

安倍氏は「改革の炎をしっかりと受け継いでいきたい。構造改革を進めて いかなければ日本の未来はない」と述べ、小泉構造改革の継承を表明した。谷 垣氏は「小泉首相は既得権益を見事にぶっ壊すという成果を挙げたが、次期政 権の課題は破壊の後の創造だ」と強調した。

麻生氏は「自民党は今後の衆院補選、統一地方選、そして来年夏の参院選 全力を挙げて戦う。この国の責任ある政党として頑張るので力を貸してくださ い」と訴えた。

安倍氏、IT分野の優遇税制を提唱

3氏は街頭演説に先立ち、同日午後に党本部で所見発表(立会い)演説を 行い、教育改革の重要性をそれぞれ訴えた。安倍氏は教育改革に関連して、「高 い水準の学力を保証するために公立学校の再生が必要だ。学校や教師を評価し たり、子供や両親が学校を選べる仕組みの導入も必要だろう」と言明。「教師 の免許更新制度もしっかりと導入していきたい」と表明した。

また安倍氏は「情報通信(IT)分野の投資は国内総生産(GDP)比で 日本が2%、米国は3.5%、先進国の水準は2.8%で、世界に比べて日本はまだ 少ない。この分野にもっと投資がなされるよう税制などの施策をしっかり実施 していきたい」と語り、情報通信分野の優遇税制に前向きな姿勢を示した。ま た「海外から地方も含めて日本への投資額を倍増したい」と強調した。

3候補ともに地方重視の姿勢

また3氏は格差問題解消に向けた決意を表明。安倍氏は「定年退職者を利 用しようとか、海外からの投資を受け入れるプランを持っている自治体に交付 税をしっかりつけていく新基準を考えなければならない。チャレンジする地域 を応援するトータルプランをしっかり実行したい」と語り、地方交付税交付金 の充実策を打ち出すことに意欲を示した。

麻生氏も「小さな市町村にはきちんと支援しなければならない。地方自治 体でよい経営をしても交付税を減らされるというのではやる気がなくなる。こ のためよい経営をやった自治体が報われるようにしなければならない」と語り、 安倍氏と同様に交付税交付金の拡充に前向きな姿勢を示した。

谷垣氏は「多くの自治体が税制の偏在に悩んでいる。大都会に吸い取られ てなかなか弱小自治体では十分な財政を持てないという偏在を立て直す税制を 考えて、地方財政を安定的に下支えする必要がある」と語った。同時に「地方 でどうして必要なインフラは整備していかなければならない」と語り、必要な 公共事業は実施すべきとの立場をあらためて示した。そのうえで地方の治安回 復などのために寄付金を払った人に対する税制を優遇する「寄付金税制を作っ ていくことも必要だ」と語った。

「アジアにエネルギー対話の場を」-安倍氏

このほか安倍氏は、現在の東南アジア諸国連合(ASEAN)プラス日中 韓やアジア太平洋経済協力会議(APEC)などに加えて、「新たに自由、民 主主義、人権、法律の支配といった共通の価値をアジアに広げていくための会 議の場があってもいい」と言及。併せて「アジアのエネルギー対話の場を日本 のリーダーシップで作ってもいい」と語り、日本がイニシアチブを発揮してア ジアでの新たな国際会議の創設を提唱した。

一方、安倍氏は靖国神社問題で冷え込んだ日中、日韓関係については、「中 国、韓国との対話再開に向けて私も努力していきたい。問題があるからこそ首 脳が会って胸襟を開いて話しをしていくべきだろう」と語り、双方が再開に向 けて努力すべきだとあらためて強調した。

消費税上げ・子宝優遇税制を検討-谷垣氏

社会保障をめぐり、安倍氏は「年金、介護、医療、生活保護など社会保障 の一体的な改革が必要だ」と表明。谷垣氏は「国民皆保険、国民皆年金の制度 は必ず維持していかなければならない」と語り、麻生氏も「国民皆保険も必ず 維持されなければならない」と同調した。

谷垣氏は現行5%の消費税率について、「消費税を社会保障の財源にする とはっきりさせた上で、少なくとも10%の消費税をいただいて、国民全体で社 会保障を支えていくことが必要だ」とあらためて力説。年金制度を安定的な持 続に向けて少子化対策、若年層の労働環境の改善、不妊治療への保険拡大、子 育て支援センターの拡充、子育て環境整備の必要性を指摘した。そのうえで「税 制では子宝税制を考えて子育て負担を軽くしていかなければならない」と語っ た。

麻生氏「元気な高齢者を納税者に」

麻生氏は「介護を必要とする高齢者はたった15%だ。日本中、元気な人が いっぱいいて預金、貯金も持っている。この元気な高齢者に働いてもらおうと いう制度を考えたほうがいい。そうずれば保険の受益者が納税者になる」と語 り、高齢者が働ける環境を増やすことで税収増が見込まれるとの持論をあらた めて展開した。

-- Editor:Sakihama

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