大和総研:06年度企業業績見通し、経常6.9%増へ-前回調査上回る

大和総研は7日、06-07年度企業業績見通 し(第2次予想)を上方修正すると発表した。東証1部上場の主要300社(D IR300、金融除く)の06年度経常利益を前期比6.9%増と前回6月調査時点 から0.8ポイント引き上げる。原油価格の想定水準の引き上げや円安メリット の発生が上方修正の要因。石油や自動車の減益幅が縮小することに加え、総合 商社や精密、電機などで増益幅が拡大するとみている。

前回6月調査時点では6.1%増益を見込んでいた。原材料高の一服を背景 に07年度についても今期予想比9.9%増益(前回調査10.8%増益)が見込ま れ、経常利益は6期連続増益かつ最高益更新となる。当期利益についても前回 の前期比10.1%増から新たに同11.3%増へと修正された。

外国為替相場の前提条件は、ドル・円が1ドル=111.1円、ユーロ・円が 1ユーロ=137.2円。一方、7日午後5時43分現在の為替レートは1ドル=

116.96円、1ユーロ=149.73円となっており、同総研の想定レートに比べて ドル・円相場が約5円、ユーロ・円相場が約13円それぞれ円安に進んでいる。 一方、原油価格では1バレル=67.0ドル(CIFベース)を想定している。

大和総研調査企画部の濱口正己次長は「マクロの需給ギャップ解消にみら れるように、全般的に今後は価格転嫁が進展することも考えられる。保守的な 為替を前提条件としたアナリスト予想が現在6.9%増益であることから、最終 的に今期は10%超の増益となる可能性もある」と述べている。

06年度のけん引役は「増収効果」

06年度業績の最大の増益要因は前回調査時と同様に増収効果。売上高は前 回調査の前期比5.5%増に対して同6.4%増と0.9%ポイント増額され、経常利 益の0.8%ポイント増額を上回った。一方、減益要因である固定費増加は急激 に拡大する気配がないことから、今期は原材料費上昇を増収効果が補う格好だ。

業種別で経常利益へのプラス寄与度の大きいのは①電機(経常利益は前年 比27.9%増)②総合商社(同21.6%増)③精密(同16.7%増)④機械(同

15.9%増)⑤小売(同15.3%増)。電機は薄型テレビが海外でも本格的な普及 期に入ったことが寄与するほか、総合商社は資源・エネルギー価格の高値持続、 精密は半導体製造装置の好調やデジカメの高機能化が収益を押し上げる。

半面、マイナス寄与度の大きい業種としては①石油(同5.2%減)②電力 (同6.4%減)③貨物輸送(同9.8%減)④薬品(同2.5%減)⑤ノンバンク (同4.8%減)となっている。石油は前期に比べて在庫評価益が縮小し、電力 は原子力発電所の計画外停止に伴う火力発電の炊き増しコスト増、貨物輸送は 海運でコンテナ市況が想定以上の低下となっていることが響く。

中間決算では増額ラッシュも

もっとも、半期ベースでみた同総研による今上期(4-9月)経常利益予 想は前年同期比4.7%増。これに対して300社ベースの4-6月期実績は同14 -15%増益となった。このままなら表面上7-9月期の経常利益は減益となる 計算だ。

濱口氏は「外部環境から7-9月期に実際に減益になるとは考えられず、 個々のアナリスト予想はまだ保守的な印象。アナリスト予想より会社予想はさ らに慎重であることから、9月中間決算では会社側の増額修正発表が多く出て くるだろう」と予測する。

07年度も業績拡大は継続へ

企業業績の拡大は07年度も続く見込み。07年度の売上高は今期予想比

3.2%増(前回調査時は3.5%増)、経常利益は同9.9%増(同10.8%増)、当期 利益は同10.4%増(同11.3%増)が予想される。06年度に比べて増収効果が 縮小するものの、原材料価格の上昇一服やコストダウン効果が利益を押し上げ ることで高い増益率となる。

もっとも金額ベースでみると、売上高は前回調査より増加した一方、経常 利益はほぼ横ばいとなった。来期より今年度の増額度合いのほうが大きかった ため、伸び率では前回調査を下回る結果となっている。

業種別では28業種中24業種で増益が予想されている。電機、窯業、総合 商社、化学などが前回調査に比べて増額された一方、ノンバンクや通信、紙・ パルプ、石油などが減額された。

全体の経常利益への寄与度ではプラスが①電機(経常利益は今年度予想比

19.9%増)②自動車(同10.9%増)③精密(同15.7%増)④薬品(同17.7% 増)⑤電力(同20.7%増)。半面、マイナスが①石油(同18.3%減)②総合商 社(同2.5%減)③非鉄(同3.8%減)④紙・パルプ(同11.2%減)⑤ガス (同7.5%増)。

前提は為替が1ドル=110円、1ユーロ=135円、原油価格が1バレル= 59ドル(CIFベース)。

フロンティア企業は06年度5.2%増益

同時に発表されたフロンティア企業111社(JASDAQ48社、東証1部 35社、東証マザーズ6社、大証ヘラクレス4社、その他)の06年度業績は売 上高が前期比11.7%増、経常利益は同5.2%増、当期利益は同12.7%増となる。 07年度は今期予想比10.5%増、経常利益は同20.8%増、当期利益は同20.5% 増が予想される。

前回6月調査との比較では06年度、07年度ともに下方修正となった。売 上高は06-07年度とも小幅(06年度0.2%ポイント、07年度変わらず)だが、 経常利益での下方が目立つ(06年度3.3%ポイント、07年度0.7%ポイント)。

原油など一次産品価格の上昇や価格転嫁の後ずれ、小売一部企業での価格 政策の変更などが要因。個別企業の戦略により、各セクター内での優勝劣敗が より明確になりつつあるという。

主な業績修正銘柄では06年度の増額修正企業がハーモニック・ドライ ブ・システムズ、スパークス・アセット・マネジメント投信、GMOインター ネットなど。減額修正企業はアーク、ニッセン、コーナン商事など。一方、07 年度では増額がGMOインターネット、理想科学工業、ハーモニック・ドライ ブ・システムズなど。減額がアーク、ACCESS、ニッセンなどとなってい る。

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