TSMCジャパン社長:半導体ファンドリー市場は2ケタ成長へ(2)

半導体ファンドリー(受託生産)メーカーの 台湾積体電路製造(TSMC)ジャパンの小野寺誠社長はブルームバーグ・ニュ ースとのインタビューで、世界のファンドリー市場は向こう5年間に年率平均 12-13%拡大するとの見方を示した。このうち、日本のファンドリー市場は規模 が小さいことから「潜在的な成長余力が高い」とみて、平均20%台の年率成長 が可能と期待を示した。

TSMCはファンドリーで世界最大手。2005年の世界のファンドリー市場 は約165億ドルで、TSMCのシェアは50.4%だった。このうち、日本のファ ンドリー市場は8億-9億ドルと小規模だが、TSMCは日本でも50%超のシ ェアを握っている。主な顧客は、自社工場を持つ半導体メーカーと、自前の工場 は持たずに半導体の開発・設計に特化するファブレス(設計専業)メーカーの2 種類に大別される。

TSMCによると、TSMCジャパンの05年の売上高は約4億数千万ドル。 日本の売り上げの9割が半導体メーカーからの受注で構成されるため、国内市場 の低迷と顧客の業績不振を受け、前年との比較では15%程度の減収になった。

小野寺社長は「昨年は国内市場がひじょうに厳しく、ファンドリー市場その ものが縮小した。しかし顧客との関係強化に努め、当社の日本市場のシェアは 10%上昇した」と説明。06年以降は市況が回復するため、「世界のファンドリ ー市場の伸び率を超える2ケタ増収をなんとか実現したい」と述べた。大学の研 究機関やファブレスメーカーへの支援活動も強化し、「日本のファンドリー市場 拡大に貢献したい」としている。

売上高は10年で5.8倍

TSMC全社の売上高は、96年の約14億3600万ドルから、05年の約82億 8800万ドルへ拡大。過去10年間で約5.8倍の成長を遂げた。小野寺社長は「成 長の源泉となる強みは3つ」と説明。1)半導体製造の幅広いプロセス技術、 2)大規模かつ柔軟な生産・製造力、3)徹底した顧客へのサービス提供――を 追求したことが競争力の源泉、としている。

生産拠点は、台湾、上海、米国、シンガポールの国・地域で12カ所(他社 との合弁で建設した工場を含む)。このうち直径300ミリメートルの大口径ウエ ハー対応工場は台湾の新竹と台南の2つで、最大能力は新竹工場が月産7.2万枚、 台南工場が同11.5万枚。足元の総生産能力は月産60万枚(200ミリウエハー換 算)を超えており、日本の大手半導体メーカーの同20-30万枚程度(200ミリ 換算)に比べ、2-3倍の能力を持つ。

ファンドリー専業メーカーの役割について、小野寺社長は「最先端の技術だ けでなく成熟した技術にも対応し、多様なサービスを顧客に提供することが使 命」と言う。自社ブランドの製品を一切持たず、いわば“黒子役”として生産に 特化するビジネスモデル。これが成功するには「“TSMCの工場=顧客の工 場”という姿勢でなければならない」(同)というわけだ。

小野寺社長は「ファンドリー事業はサービス産業」と定義。生産面では、大 規模な生産能力を有することで顧客の要請に柔軟に対応し、サービス面ではイン ターネットを通じた設計ルールや製造各工程の情報を提供するなど、さまざまな 仕組みを構築している。「顧客にとって、いかに使い勝手のよいインフラを提供 できるかがカギ。顧客が成功することでTSMCも成功できる」と述べた。

注)売上高の単位はすべて米ドル換算。

--共同取材 小笹俊一  Editor:Murotani

テオ チャンウェイ Teo Chian Wei (813)3201-3623 cwteo@bloomberg.net

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