秋篠宮妃紀子さま:男の子ご出産、皇室41年ぶりに-皇位継承3位(8)

秋篠宮妃紀子さま(39)は6日午前、男の子を 出産された。皇室にとって秋篠宮さま以来41年ぶりの男子誕生で、皇位継承順位は 皇太子さま、秋篠宮さまに次いで3位になる。紀子さまは入院していた東京都港区 の愛育病院で帝王切開手術を受けて出産され、お子さまともに健康。

宮内庁によると、お子さまは体重2558グラム、身長は48.8センチ。午前8時 23分に手術が始まり、ご出産は8時27分だった。手術後、紀子さまは9時7分に病 室に戻られた。金沢一郎皇室医務主管はお子さまについて会見で「すこぶるお健や か」、紀子さまについては「予想外の出来事なく、術後の経過も順調」と述べた。

お生まれになった男の子は、秋篠宮ご夫妻にとって91年の長女眞子さま、94年 の二女佳子さまに次いで第3子。天皇、皇后両陛下にとって4人目のお孫になる。 皇室では黒田清子さん(紀宮さま)以降9人続けて女性がお生まれになっていた。

皇位安定継承の観点から女性・女系を認めようとして昨年末から今年前半に盛 り上がった皇室典範改正の機運は、この男子ご出産でいったん収まりそうだ。皇室 典範は皇位について「皇統に属する男系の男子たる皇族が継承する」と定めている。

政治評論家の森田実氏も同様の考えを示したうえで、次期自民党総裁(首相) 就任が有力視されている安倍晋三官房長官について「『皇位は男系の男子』との考 えが強く、皇室典範の議論がなくなりうれしいだろう」と指摘した。

第一生命経済研究所の永浜利広・主任エコノミストは、紀子さまが男の子を出 産された経済効果として「結婚や出産が増えるといった背景から1500億円程度と予 想している」と語った。ベビー用品やブライダル関連、出版・マスコミ業界に特に 恩恵があり、「男の子なので効果はより拡大する」と指摘した。

各種儀式

男系の子孫に皇位が代々引き継がれて2000年以上も続いているとされる皇統の 「万世一系」という考えは、紀子さまが男の子をお生みになったことでより持続が 確実になった。今上天皇は系譜上、第125代に当たる。過去に女性天皇は8人10代 (2人が再び即位する重祚=ちょうそ=のため)あったが、すべて男系で女系はい ない。

宮内庁は2月7日、紀子さまにご懐妊の兆候があると発表した。その後の7月 18日には、紀子さまは胎盤が下がり一部が子宮口にかかる「部分前置胎盤(ぜんち たいばん)」症状があると発表した。これを受けて紀子さまは8月16日に愛育病院 に入院していた。

紀子さまは1966年9月11日に川嶋辰彦氏の長女としてお生まれになった。89 年に学習院大学文学部心理学科ご卒業、90年に秋篠宮さまとご結婚された。現在は 結核予防会総裁や日本赤十字社名誉副総裁を務められている。

今後の儀式としては、お生まれになった男の子に守り刀を賜る「賜剣(しけん) の儀」がある。7日目前後には「命名の儀」でお名前と称号が送られ、「賢所皇霊 殿神殿(かしこどころこうれいでんしんでん)に誕生命名奉告の儀」で誕生と命名 が宮中三殿に報告される。

その後、皇室の戸籍にあたる「皇統譜」(こうとうふ)のなかの「皇族譜」に 登録される。続いてご誕生50日目以降にお宮参りに当たる「賢所皇霊殿神殿に謁す るの儀」でお生まれになった男の子が宮中三殿に初めて礼拝される。ご誕生後120 日目前後には「お箸初」、その後「初節句」といった儀式が続く

祝辞

紀子さまが男の子を出産されたことを受けて、首相官邸で小泉首相は「良かっ たね」と語った。安倍官房長官は「本当に喜ばしく思う。国民とともに親王殿下の ご誕生をお喜びしたい」と述べた。皇室典範改正については「慎重、冷静、落ち着 いた議論を進めていかなければならない」と強調した。

日本経団連の御手洗冨士夫会長は「国民の一人として、心からお喜びとお祝い を申し上げます。この国の歴史と伝統への尊崇と敬愛の気持ちを新たにいたしまし た。お子さまの健やかなご成長と輝かしい未来を、心からお祈り申し上げます」と の談話を寄せた。

経済同友会の北城恪太郎・代表幹事も「国民の一人として心からお喜びとお祝 いを申し上げます。秋篠宮ご夫妻の深いご慈愛のもと眞子さまや佳子さまとともに お子さまが健やかにご成長されることをお祈り申し上げます」とコメントした。

日本商工会議所の山口信夫会頭は「誠におめでたく、心よりお喜び申し上げま す。国民の一人として慶賀にたえません。親王殿下のお健やかなご成長と皇室ご一 家の末永いご繁栄をお祈り申し上げます」と語った。

東京証券取引所は、所内に「親王殿下ご誕生おめでとうございます」との電子 掲示を流した。

【天皇、皇后両陛下のご感想】(宮内庁発表) 「秋篠宮より、無事出産の報せを受け、母子ともに元気であることを知り、安堵し ました。様々な心労を重ねた10か月であったと思いますが、秋篠宮夫妻が、その全 てを静かに耐え、この日を迎えたことを喜び、心からのお祝いの気持ちを伝えたく 思います。2人の内親王も、この困難な時期を、一生懸命両親に協力して過ごして きましたので、今は、さぞ安心し、喜んでいることと思います。医療関係者を始め、 出産に携わった人々の労をねぎらい、この度の秋篠宮家の慶事に心を寄せ、安産を 祈願された内外の多くの人々に、深く感謝の意を表します」

【皇太子、同妃両殿下のご祝意】(宮内庁発表) 「ご無事のご出産おめでとう。妃殿下の手術が無事に終わることを祈っています。 両殿下も親王殿下もお身体をお大切に」(秋篠宮さまから8時40分ころ男の子誕生 を電話で伝えられた皇太子殿下が述べたお言葉)

【紀子さまの両親、川嶋辰彦さん、和代さんの感想】(宮内庁発表) 「誠におめでとう存じます。『清流に臨みて詩を賦す』心に重なる感慨を覚えます。 お健やかな御成長を謹んでお祈り申し上げます」(『清流に臨みて詩を賦す』は古 代中国の詩人・陶淵明の「帰去来兮辞」からの引用)

【黒田慶樹、清子ご夫妻の感想】(宮内庁発表) 「ご無事にご出産になり、妃殿下、新宮様御共にお健やかでいらっしゃることを伺 い、お喜び申し上げております」

--共同取材 東京 山村敬一、林純子、堤紀子 Editor : Okimoto

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