調達資金の使途空欄のIPO復活-NASDが懸念強める

1990年代の一連の不祥事で消滅したタイプ の新規株式公開(IPO)が復活しており、投資家が再びだまされる可能性が あるとして米監督当局は懸念を表明している。

米証券会社5000社余りを監督するNASD(旧全米証券業協会)は、名目 会社がIPOで使途を明記せずに資金を調達する「白地小切手」案件の復活に ついて調査を進めている。

こうした企業が今年実施したIPOは28件で、22億ドル(約2550億円) 相当の株式を売却した。ブルームバーグ・データによると、シティグループや メリルリンチといったウォール街の有名金融機関の支援を受け、さらに43億ド ル相当の新株発行が予定されている。当局への届け出によると、これまでの引 き受け手数料率は平均6.4%で、4億1700万ドルの手数料収入が見込まれる。

NASDの法務執行責任者、ジェームズ・ショリス氏は、「これらの新規 公開がすべて公明正大なものかどうか、分からない」とし、「白地小切手」の 案件が再び信頼され、新たな悪用の引き金になる可能性に悩まされていると述 べた。NASDは現在、こうした新規公開株の需要を誰かが意図的に喚起して いる事実があるかどうかについて調査を進めている。ショリス氏は「複数」の 金融機関を調べていると述べたが、具体的な企業名は明らかにしていない。

アーリーバードキャピタル社は、NASDから連絡を受けたことを認めて いる。ブルームバーグ・データによると、同社は2004年以降少なくとも14件 の「白地小切手」のIPOで引き受け幹事を務めている。

特別目的買収会社(SPACs)と称される「白地小切手」企業は対象を 特定せずに、既存のビジネスの合併や買収を見込んで、IPOを実施する。投 資家はその会社幹部の力量を信頼して投資することになる。米証券取引委員会 (SEC)に提出されるIPOの条件を明記した目論見書では、経営陣がIP O前に買収標的について言及することが禁止されており、業種や地域の名前を 挙げるにとどまっている。

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