コンテンツにスキップする

蘭ミタルのアジア拡大戦略、ポスコやタタの防衛策でスローダウンも

アジアの製鉄会社が同業最大手、オランダ のミタル・スチールに飲み込まれないよう、防衛策を講じている。

世界の製鉄会社で2位の新日本製鉄は、海外から敵対的買収を阻止するため、 国内の競合企業に支援を要請。韓国のポスコは株式時価総額を増加させて買収を 阻むため、自社株買いを実施する見込み。インドのタタ・グループは、タタ製鉄 への出資比率を33.5%に引き上げる計画だ。

タタ製鉄のマネジング・ディレクター、B.ムスラマン氏はタタ・グループ が保有比率を3.2ポイント引き上げる計画について、「ミタルが理由であること は確かだ」と語った。

ミタルのラクシュミ・ミタル会長は、鉄鉱石鉱山や製鉄所、仕上げ圧延機を 4大陸に保有する世界最大の製鉄会社を構築した。ルクセンブルクのアルセロー ルを383億ドルで買収に合意した後は、アジアを注目している。急速な経済成長 を遂げる中国とインドが同社の事業ネットワークで最大の弱点となっているた めだ。こうした状況がアジアの製鉄各社に合併を促す圧力を高めている。

英米系格付け会社フィッチ・レーティングスのアナリスト、フィリップ・マ イアル氏は「鉄鋼セクターでは再編が予想される」と述べ、「世界の鉄鋼セクタ ーは産出コストからの圧力にさらされている。鉄鋼は高度に細分化された産業 だ」と指摘した。

アルセロールの株主が6月半ばにミタルの買収案を受け入れる考えを表明 して以来、新日鉄とタタ製鉄の株価は32%余り上昇している。ポスコは同期間 に12%上昇した。

ミタルは、インドの景気拡大による需要増加をにらみ、オリッサ州の製鉄所 建設で87億ドルを投資する計画。ミタル氏は7月7日、「インドと中国に注目し ている」と述べ、「当社が世界の鉄鋼業界で最大手の位置にとどまるには、イン ドは極めて重要なステップだ」と指摘している。

インドの鉄鋼メーカー3位、JSWスティールのマネジング・ディレクター、 サジャン・ジンダル氏は、インドの製鉄会社は過半数株式を創業者や政府が保有 しているため、インドでの買収は難しいだろうと指摘した。

鉄鋼生産で世界最大の中国では、政府が数百社に上る製鉄会社の再編を奨励 している一方で、同国最大手の宝山鋼鉄(非公開企業)などの経営権を外国企業 が握ることを禁じている。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE