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三菱商:北越紙の増資完了、日本紙連合で王子紙「完全統合」阻止可(5)

業界2強の一角の王子製紙に敵対的株式公開買 い付け(TOB)をかけられている北越製紙は7日、三菱商事への第三者割当増資 が完了したと発表した。北越紙は新潟工場への投資資金を確保した。三菱商は北越 紙の筆頭株主になり、実質2位株主の日本製紙グループ本社と連携すれば王子紙に よる北越紙の完全統合構想を阻止できる。

北越紙は新株5000万株を1株607円で三菱商に7日に発行、三菱商が303億5000 万円を払い込んだ。北越紙は調達資金を新潟工場の塗工紙生産設備などへ投資する。 同時に三菱商の国際的な信用力と取引基盤を活用する業務提携もする。

三菱商は北越紙株の24.1%(議決権で24.4%)を保有する筆頭株主になった。 北越紙株については日本紙Gが6.4%(同6.5%)を保有しており、議決権で10%未 満まで買い増す方針を示している。この買い増しが進めば、三菱商と日本紙Gの持 ち分は議決権で3分の1超(33.4%)に当たる。

日本紙Gは、北越紙と三菱商に「緩やかな協力関係」を築くための協議に入る 申し入る方針。北越紙をめぐり日本紙Gと三菱商の連合が結成できるかどうかが、 王子紙による北越紙への敵対的買収の行方を左右することになった。

三菱商と日本紙連合で議決権3分の1

王子紙は現在のTOB(1株800円で期日9月4日)で北越紙株保有を議決権 で最低過半数まで上げ、その後に株式交換などで全株式を取得、完全統合する方針。 この株式交換には株主総会での特別決議が必要だが、三菱商・日本紙Gが連合して 議決権で3分の1超の反対をすれば特別決議を否決できる。

TOBが成功して北越紙の過半数の株式を取得しても、王子紙が目論んでいる 北越紙の完全統合は出来なくなる。さらに北越紙の筆頭株主の三菱商事、2位の日 本紙G(買い増し完了後)が連携してともにTOBに応募しなければ、王子紙はT OB成立自体が微妙になる。

今回の案件でのフィナンシャルアドバイザー(FA)は、北越紙がクレディ・ スイス、日本紙Gはモルガン・スタンレー、王子紙は野村証券。

北越紙の株価は王子紙TOB価格を大きく上回っている。三菱商と日本紙Gの 連携の可能性を含めてM&Aに詳しい中央青山PwCコンサルティングの新木啓之 M&A担当エグゼクティブコンサルタントは「現時点で王子紙のTOB成立は難し いと見るのが一般的。とすると王子紙はTOB成立を目指して買い取り価格を上げ てくる可能性が高い」と予想した。

CLSAアジア・パシフィック・マーケッツの調査部の黒澤真シニアアナリス トは「今回の王子紙の北越紙の統合計画をきっかけに、製紙業界でさらなる再編が 加速する可能性がある。三菱商という商社がその中で中心的役割を担っているのが 新しい形態として注目される。今後は日本紙、北越紙、三菱商の3社の間で打ち出 される具体的な提携案がポイント」とみている。

王子紙、北越紙に株主名簿閲覧請求

王子紙は7月31日に北越紙に同社株主名簿の閲覧を請求した。北越紙の株主を 把握してTOBを成功させるための対応を進めるのが狙いと見られる。これに対し て北越紙は8月4日に請求を拒否する趣旨を回答した。5月施行の会社法では、同 業他社からのこの請求は拒むことが出来ると規定(125条3項3号)されている。

この点について王子紙は「遺憾である」と北越紙の対応を批判、きょうあすに 行動を起こすつもりはないとしながら「法的措置の可能性は否定しない」(矢田雅 之・総務部長)との考えを強調した。

また、北越紙の三菱商への増資完了について王子紙は「特に申し上げることは なく、規定方針通り公開買い付けを継続する」とのコメントを発表した。

北越紙株の終値は、前週末比15円(1.8%)安の831円。日本紙G株は同1万 9000円(4.3%)安の42万7000円、王子紙は2円(0.3%)安の680円。

--共同取材 東京 松田 潔社 Editor : Ushiroyama(Eue)

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