コンテンツにスキップする

東芝:フラッシュメモリーで3000億円投じ、世界最大の拠点整備へ

半導体事業が好調な東芝は4日、NAND型フ ラッシュメモリーの生産拠点である四日市工場(三重県四日市市)の第4棟の建設 で、米サンディスクと分担して2007年3月期からの2年間に約3000億円の投資を 実施すると発表した。量産投資を加速することで、最大のライバル韓国サムスン電 子や、米マイクロン・インテル連合に対抗する。

四日市工場の第4棟は8月に着工し、07年7月に完成の予定。07年10-12月 期に月産2500枚で量産をスタートし、1年後の08年10-12月期には月産6万7500 枚まで能力を拡大する。その時点で四日市工場は、既存設備も合わせ、世界最大の NAND型フラッシュ生産拠点となる見通しだ。

第4棟は5階建てで、延床面積は18万1000平方メートルと第3棟の1.4倍。 うちクリーンルームの面積は4万8800平方メートル。地震による揺れを3分の1程 度に抑制できる免震構造を採用するとともに、落雷の際に生じる瞬間的な電圧低下 にも対応可能な新型の電力貯蔵装置を備える。

半導体の加工線幅は56ナノ(ナノは10億分の1)メートルのプロセス技術に よる生産から開始し、順次、40ナノ、30ナノ世代の微細化技術を導入する予定。

06年3月期は、年間の設備投資計画3540億円のうち約7割をメモリー関連の投 資に充てる。このなかで05年春に量産が始まった第3棟には350億円を追加投資し、 07年9月までに最大生産能力となる月産11万枚体制とする。第3棟に続き、第4棟 も直径が300ミリメートルのウエハーを投入する生産ラインで量産体制を敷く。

米ハイテク調査会社アイサプライによると、06年1-3月期の東芝の世界シェ アは25%と、05年10-12月期に比べ6%拡大。一方、最大のシェアをもつサムス ンは、東芝などの猛攻を受けて前四半期の51%から49%に低下した。東芝は、NA ND型フラッシュメモリー(電気的に一括消却・再書き込み可能なメモリー)の需 要拡大の波に乗り、新棟建設でさらに攻勢を強める考えだ。

ターゲットは世界シェア40%

同日の新棟起工式後に会見した同社の室町正志専務は、新棟の能力が月産6万 7500枚に達する予定の08年10-12月には「東芝とサンディスク合計の世界シェア 40%を達成したい」と述べた。同専務は「需要に応じて08年度以降も能力を拡大さ せる」との方針を示したうえで、月産10万―15万枚が見込まれる最大能力の達成ま でに、同社とサンディスク合計で「総額6000億円程度の投資を行う」考えを示した。

2006年のNAND型フラッシュメモリーの世界市場は、前年比29%増の138億 2600万ドルに成長する見通し。米アップルコンピューターの「iPod」など携帯 音楽プレーヤー、デジタルカメラ、携帯電話の記録媒体として需要が拡大しており、 当面は2ケタの成長が続く。この夏には、ハードディスク装置(HDD)の代替記 録媒体としてNAND型フラッシュメモリーを搭載した小型ノートパソコンも発売 されるなど、新たな需要のけん引役も現れた。

これに対し、コンピューターの主要メモリーであるDRAM(記憶保持動作が 必要な随時書き込み読み出しメモリー)の市場規模は同6.2%増の263億5200万ド ル。フラッシュメモリーはDRAMの半分強を占めるまでに育っている。

東芝は5月に発表した09年3月期までの新中期計画で、半導体事業に1兆200 億円を投じる方針を決定。初年度となる07年3月期の半導体事業の売上高は前期比 21%増の1兆2500億円、営業利益は同23%増の1650億円となる見通し。需要拡大 と各社の増産に伴い、平均単価は年率40%程度の下落を予想するが、半導体加工技 術の微細化と、1つの素子に多くの情報を記録する「多値」の技術を活かして先行 者利益の最大化を狙う。

東芝の株価終値は前日比10円(1.4%)安の727円。

--共同取材 PAVEL ALPEYEV  Editor:Murotani

パベル・アルペエブ PAVEL ALPEYEV (813) 3201-2137 palpeyev@bloomberg.net 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 室谷 哲毅 Tetsuki Murotani (813)3201-8960 tmurotani@bloomberg.net

Teo Chian Wei テオ チャンウェイ (813)3201-3623 or cwteo@bloomberg.net

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE