NY外為(21日):ドル下落-米利上げ休止観測で売り、一時115円台(2)

ニューヨーク外国為替市場ではドルが下 落。米連邦公開市場委員会(FOMC)が約2年間に及ぶ利上げサイクルを休 止するとの期待が高まったことを受けて、ドルは対円で過去2週間で最大の下 げとなった。

中国が対ドルでの人民元相場上昇を容認するとの観測も、円に強材料とな った。中国は日本にとって最大の貿易相手国で、人民元が上昇すれば、中国に とって日本製品が魅力を増すことになる。

シティグループの通貨ストラテジスト、エリック・ダーウェル氏(ニュー ヨーク在勤)は、「FOMC要因がドル下落の主因だ」とし、「人民元がこの 日、年初来最高値を付けたことも円には押し上げ材料となった」との見方を示 した。

ニューヨーク時間午後4時7分現在、ドルは対円では1ドル=116円18銭 と、前日遅くの同117円04銭から反落。ドルは朝方には一時、同115円83銭 と日中の安値を付けた。一方、ドルは対ユーロで1ユーロ=1.2693ドルと、前 日遅くの同1.2627ドルから続落した。週間ベースではドルは対ユーロで0.3% 下落、対円ではほぼ変わらずとなった。

バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長が今週の議会証言で、連 邦公開市場委員会(FOMC)メンバーは利上げ局面をほぼ終結しつつあると 示唆したことを受けて、円は3カ月ぶりの安値から反発している。

ステート・ストリート・グローバル・マーケッツの通貨ストラテジスト、 マイケル・メトキャルフィー氏は、「ドル一段安への青信号がついた。8月に 米金利のピークが確認されれば、一段のドル売りが誘発されよう」との見方を 示した。

メトキャルフィー氏はまた、ドルは今後3カ月で対円では1ドル=115円 に、対ユーロでは1ユーロ=1.30ドルに下落するとの予想を示した。

金利先物相場は8月8日のFOMCで5.5%への利上げが実施される確率 を41%織り込んだ水準となっている。この確率は18日には65%だった。

人民元観測

中国人民銀行は21日、市中銀行を対象とした預金準備率を8月15日に

0.5ポイント引き上げ8.5%とすると発表した。インフレや過剰投資を抑える ための措置で、2カ月間で2度目の預金準備率引き上げとなる。

この人民銀の発表前には、人民元のドルペッグ(固定為替相場)制廃止1 年目に当たり、同中銀が人民元を引き上げるとの観測を受けて、円が上昇して いた。

フォレックス・キャピタル・マーケッツの主任通貨ストラテジスト、キャ シー・リーン氏(ニューヨーク在勤)は、「中国人民元の引き上げとなれば、 日本製品の価格競争という面で日銀には一層の柔軟性が生じることになる」と し、「人民元の一層の上昇が円には好材料となる。というのもそれにより円も さらに上昇できるからだ」と語った。

移行期

欧米の金利が日本と比べ引き続き高い水準にとどまるとの観測から、円の 上昇は限られている可能性がある。日銀はほぼ6年ぶりにゼロ金利を解除した ものの、日本銀行の福井俊彦総裁はその後の定例会見で、「前回の量的緩和に 終止符を打った措置、そして今回のゼロ金利の解消というふうに、ステップを 慎重に踏んできているが、いわゆる連続利上げを意図しているわけではない」 と言明。今後の金利水準の調整については「経済・物価情勢をよく見極めなが らゆっくりと進めていく」と語った。

欧州中央銀行(ECB)は昨年12月以来3回にわたり政策金利を引き上 げており、ブルームバーグがまとめた24人のエコノミストを対象とする調査 では1人を除く全員が8月3日の政策委員会でも3%への一段の利上げを予想 している。

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