美術品は最低の投資先、2000年代は不動産と米小型株が優位-メリル

証券大手、米メリルリンチの調査によると、 美術品は最低の投資先の1つだ。1億ドル(約116億円)以上の値段の付くピ カソやクリムトなど巨匠の作品ですら、投資収益という点ではお寒い限りだ。

メリルによると、株と債券は5年間保有すればほぼ確実に利益が出る。一 方、美術品は価値が下落するリスクが高い。小型株、社債、長期国債は、5年 保有すれば損失の可能性は3%以下だが、美術品の場合は17%の確率で損失が 出るという。

美術品の価格急上昇を背景に2004年には、銀行などが12の美術品ファン ドを計画したが、実際に資金を集め投資を開始したのは1、2ファンドのみだ った。17日付のメリルのリポートを読めば、その理由が分かる。

メリルは「美術品、金、商品はリターンで劣り、リスクは相対的にかなり 大きく、リスク・リターンのバランスが最悪だ」として、この3種の資産は「非 常に長期を視野に入れている投資家向きだろう」と結論付けている。

メリルは美術品については1976年以降、他の資産については69年以降の データをまとめた。ほとんどの資産で、3年以上の保有が有利であることを示 すことが調査の目的だという。

メリルによると、70年代には8種類の資産のなかで美術品のリターンが最 悪だった。その10年は金が最良の投資資産で、株や債券のリターンを上回った。 80年代になると美術品が優位となり、株や債券、不動産を上回るリターンを上 げた。90年代には、美術品は再び商品と金に次ぐ下から3番目に転落。90年代 の最良の投資先はS&P500種株価指数を構成する米株だった。

2000年代はここまでのところ、不動産と米小型株が最も高いリターンを上 げ、美術品や外国株、S&P500種が最悪だという。