米国株見通し:金融、ハイテク、ヘルスケア株が相場の重しにも

米株式市場の3大業種グループである金融、 ハイテク、ヘルスケア企業の決算が今週、ヤマ場を迎える。しかしこれら企業の決 算が、先週下落した株価の回復につながる可能性は低そうだ。

金融サービス最大手のシティグループや競合企業は、米金融当局による利上げ で利益が圧迫される脅威に直面している。マイクロプロセッサー(超小型演算処理 装置)世界2位のアドバンスト・マイクロ・デバイシズ(AMD)や、ストレージ (外部記憶装置)最大手のEMCの業績が予想に届かなかったことで、ハイテク企 業の4-6月期利益見通しは低下している。ブルームバーグ・データによると、ヘ ルスケア企業はS&P500種を構成する10のグループのなかで、利益の伸びが最も 低かった可能性がある。

RBCデイン・ローシャーの株式ストラテジー責任者、フィリップ・ダウ氏は 「これらの業種の株価が回復するきっかけを予想する理由は何もない」と述べ、ヘ ルスケアおよびハイテク企業の利益は「しばらくの間」落ち込んでいると指摘する。

今週はシティのほかにバンク・オブ・アメリカ(BOA)、JPモルガン・チ ェースが決算を発表する。ハイテク企業ではマイクロソフトやIBM、グーグルな どが、ヘルスケアではジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)やファイザーの 決算が予定されている。

先週の米株式相場は、S&P500種が前週末比2.3%安。ダウ工業株30種平均 は同3.2%安。ナスダック(店頭市場)総合株価指数は同4.4%安だった。

利益見通し

6月の雇用統計を受けて、米金融当局が利上げを休止する可能性があるとの観 測から、投資家心理は改善した。今週は物価統計が発表され、来月の米連邦公開市 場委員会(FOMC)の動向を占う上で参考になりそうだ。また、米連邦準備制度 委員会(FRB)のバーナンキ議長は19日に議会証言を行う。

調査会社トムソン・ファイナンシャルによると、アナリストらはS&P500種 構成企業の4-6月期の利益の伸びを12.4%とみている。期初の時点では10.9% と予想していた。

S&P500種の構成企業のなかで、時価でみると金融機関が22%と最も大きな 比重を占める。次いでハイテク企業が14%、ヘルスケアが12%でこれに続く。こ の3つの業種の株価は今年、いずれも下落している。ただ金融株だけは、S&P500 種の今年の下落幅(1%)を下回る0.3%下落にとどまっている。これに対し、ハ イテクとヘルスケアはそれぞれ12%と5.4%下げている。一方でシティなどの金融 機関は、米金融当局の利上げにより利ざやが縮小している。アリエル・キャピタル・ マネジメントのフランクリン・モートン氏は、こうした傾向は今後も続く公算が高 いとみている。

トムソンのアナリスト調査によると、4-6月期の金融機関の利益の伸びは 16%と予想されており、3月31日時点の11%から上方修正された。一方、ハイテ ク関連企業は9.5%から4.9%に、ヘルスケア企業は4.4%から2.2%に下方修正さ れた。

ウエントワース・ハウザー・バイオリッチの最高経営責任者(CEO)、ステ ィーブン・ロウン氏は「IBM、マイクロソフト-こうした企業の数字には大きな 魅力を感じない」と語る。また、ブルームバーグ・ニュースが調査した14人のス トラテジストのなかで米株式に最も強気なプルデンシャル・エクィティ・グループ のチーフ投資ストラテジスト、エド・ケオン氏は「この数年間、ヘルスケア銘柄に 強気になれるような理由を探してきたが、まだ見つけられない」と述べている。

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