福井日銀総裁:連続的な利上げは意図せず-金利調整はゆっくり(7)

(4段落以降にファンド、国債買入、2000年との比較に関する発言を追加)

【記者:日高正裕】

7月14日(ブルームバーグ):日本銀行の福井俊彦総裁は14日午後、定例会 見で、「前回の量的緩和に終止符を打った措置、そして今回のゼロ金利の解消 というふうに、ステップを慎重に踏んできているが、いわゆる連続利上げを意図 しているわけではない」と言明。今後の金利水準の調整については「経済・物価 情勢をよく見極めながらゆっくりと進めていく」と語った。

福井総裁は同日の金融政策決定会合で5年4か月ぶりにゼロ金利政策を解除 したことについて「格別、改まった感想はないが、日本経済全体が過去10年以 上、民間、公的部門を挙げて懸命の努力によって、大変苦しい状況からより正常 な姿に前進してきた。金融の面でも、金利の復活の入り口のところにようやく入 ることができた。そういう意味では、日本経済の将来にとって非常に喜ばしい一 歩を記すことができたのではないか」と語った。

福井総裁はさらに「日銀としても、これまで量的緩和政策という非常に異例 の枠組みを通じてゼロ金利政策を長くやってきた。経済全体の正常化に合わせて 金融政策も正常な姿に歩を進めていく、その重要なステップを1つここで踏むこ とができた」と述べた。

まだまだ果たすべき大きな職責

福井総裁の「村上ファンド」への資金拠出問題については「私自身、いろい ろとお騒がせし、多くの方々にご心配を頂き、振り返ってさまざまなことを深く 反省している。しかし、私自身には、まだまだ果たしていかなければならない大 きな職責を担っていると思っている。粛々と職責を全うしていく、この覚悟に変 わりはございません」と述べた。

日銀は同日の金融政策決定会合で、長期国債買い入れについては月1兆 2000億円を維持することを決めた。福井総裁はこれについて「金利が将来プラ スになってくると、銀行券の発行残高に変化が生じてくる可能性はあると思うし、 日銀の保有資産が長期国債に偏りすぎると、調節の円滑性を欠くという心配が出 てくる可能性はある」と指摘。

その上で「そうした心配があるのであれば、将来修正しなければならないと 思うが、その場合でも市場に対して不測の驚きみたいなことはやりたくないので、 市場の予測可能性にも配慮しながら適切に対応していくことになる。目先そうし たタイミングが見えているわけではない」と語った。

公定歩合0.4%の背景

日銀は同日、無担保コール翌日物金利の誘導目標を全員一致で0.25%に引き 上げるともに、公定歩合を賛成6、反対3の賛成多数で0.4%に引き上げた。福 井総裁は反対した3人が0.5%を主張したことを明らかにするとともに、「率直 に言って、なかなか難しい判断だった」と述べた。

福井総裁は0.4%という水準について「何となく収まりの悪い数字」としな がらも、「3月に量的緩和政策を解除した後、短期市場の回復ぶりもつぶさにウ オッチしてきたが、十分回復したかと言うといろいろな点でまだ十分とまで言え ない点を残している」と指摘。「市場の自由な金利形成に配慮しつつも、現実的 にできるだけ小幅な変更にとどめた」と語った。

将来的に無担保コール翌日物金利との差をどのような水準にするかについて は「最終的にどんな姿が望ましいか、われわれは勉強し続けたい」と語った。

米国経済をめぐる不確実性

福井総裁はこの日の決定について「いわゆる2つの柱によって、経済・物価 情勢の点検を十分行った上で決断した。2つの柱のうち第1の柱、つまり先行き 2年間の経済・物価情勢について、最もがい然性の高い見通しを点検すると、物 価安定の下での持続的な成長が続くと考えられる」と語った。

福井総裁は「第2の柱のリスク要因についても、さまざまな点検を行った。 日銀が今の段階で設備投資が強過ぎると判断しているのではないか、という話を よく耳にすることがあるが、今の段階で設備投資が強過ぎるとは判断していな い」と述べた。

一方、米国経済については「インフレ圧力が一方でじわじわと強まりながら、 住宅市場や個人消費を中心に減速過程に入っている。この先、米国経済が潜在成 長力近傍に成長率を緩やかに引き下げていきながら、同時にインフレ懸念につい ても抑制し続けていくことが可能な状況に至るかどうか、不確実性を残してい る」と語った。

株式市場は安定に至っていない

最近の世界的な株価の下落については「世界経済のファンダメンタルズ(基 礎的諸条件)の先行きの悪さを、何か株式市場の動きが警告を発しているという 感じではむしろない、と取りあえず判断した」と指摘。

一方で「引き続きインフレリスクを適切に抑制しながら、着実な成長を持続 することができるか、特に米国経済について軟着陸シナリオを実現することがで きるか、という点について、米国の連銀は自信を持っていると思うが、世界の多 くの観測者、あるいは市場から見ると、やはり幾ばくか不確実性があらためて意 識された」と述べた。

福井総裁はさらに「5月中旬以降始まった世界の株価の変動は、ある程度調 整一巡感も一方で出ているが、非常に安定したという状況に至ってもいない」と 指摘。その上で、株価の動きが「われわれにとって好ましくないことを警告とし て発することになるのか、ならないのか、冷静に見極めながら、われわれは今後 の金融政策スタンスにはきちんとそれは反映していきたい」と語った。

2000年の二の舞は避けられるか

日銀は2000年8月、1回目のゼロ金利を解除したが、景気の失速で半年後 の2001年3月、量的緩和政策を実施してゼロ金利政策を復活させた。福井総裁 は「2000年当時と今の日本経済を比較すると、少なくとも日本経済の成長の基 盤は格段に頑健性を増している」と指摘。「海外要因などから景気の下振れリス クが多少及んできても、ショックが国内要因で吸収できる」と語った。

福井総裁は海外要因についても「2000年のIT(情報技術)バブルの崩壊 ほど大きなリスクがあるかと言うと、やはり今の時点では比較的少ないのではな いか」と言明。「そうした内外両面の要因を客観的に見る限り、2000年に比べ ればリスクは少ない」と語った。

福井総裁はその一方で「しかし、だから安心して今後の政策をせいせいと進 められるかというと、われわれは職業的心配屋なので、十分点検しながらやって いかなければならないと思っている」と述べた。

同日の金融政策決定会合

日銀は同日開いた金融政策決定会合でゼロ金利政策を解除し、無担保コール 翌日物金利を「0.25%前後で推移するよう促す」とした金融調節方針を全員一致 で決定した。公定歩合は賛成6、反対3で0.4%に引き上げることを決定した。 長期国債買い入れ額も月1兆2000億円に維持した。

日銀は声明で今後の金融政策運営について「政策金利水準の調整は、経済・ 物価情勢の変化に応じて徐々に行うことになる。この場合、極めて低い金利水準 による緩和的な金融環境が当面維持される可能性が高いと判断している」と表明 した。

主な一問一答は次の通り。

――5年4か月ぶりにゼロ金利を解除したことの感想を聞かせていただきたい。

「格別、改まった感想はないが、日本経済全体が過去10年以上、民間、公 的部門を挙げて懸命の努力によって、大変苦しい状況からより正常な姿に前進し てきた。金融の面でも、金利の復活の入り口のところにようやく入ることができ た。そういう意味では、日本経済の将来にとって非常に喜ばしい一歩を記すこと ができたのではないか」

「日銀としても、これまで量的緩和政策という非常に異例の枠組みを通じて ゼロ金利政策を長くやってきた。経済全体の正常化に合わせて金融政策も正常な 姿に歩を進めていく、その重要なステップを1つここで踏むことができたと思っ ている」

――今後の金融政策についての見解を聞かせていただきたい。

「私どもとしては、今後とも経済・物価情勢を丹念に点検しながら政策運営 をしていかなければならない。経済・物価情勢が展望リポートに沿って展開して いくと見込まれるのであれば、政策金利水準の調整については経済・物価情勢の 変化に応じて徐々に行うことになる。この場合、極めて低い金利水準による緩和 的な環境が当面維持される可能性が高いと判断している」

「前回の量的緩和に終止符を打った措置、そして今回のゼロ金利の解消とい うふうにステップを慎重に踏んできているが、こうしたことで、いわゆる連続利 上げを意図しているわけではない。あくまで今後の経済・物価情勢を丹念に点検 しながら、金利水準の調整は徐々に行う。展望リポートでお示しした基本スタン スの通りだ。金利水準の調整は経済・物価情勢をよく見極めながらゆっくりと進 めていく」

――本日の金融政策決定会合で、どのような議論があったのか。

「いわゆる2つの柱によって、経済・物価情勢の点検を十分行った上で決断 した。2つの柱のうち第1の柱、つまり先行き2年間の経済・物価情勢について 最もがい然性の高い見通しを点検すると、物価安定の下での持続的な成長が続く と考えられる。そういう経路に沿って量的緩和解除後、あるいは展望リポート発 表後、足元の状況に至るまで、ほぼ過不足なく経済・物価情勢が推移してきてい る」

「第2の柱のリスク要因についてもさまざまな点検を行った。さまざまなリ スク要因があるわけだが、日銀が今の段階で設備投資が強過ぎると判断している のではないか、という話をよく耳にすることがある。われわれは今の段階で設備 投資が強過ぎるとは判断していない」

「金利を一定の水準に長く据え置いた場合には、先々そういうリスクはあり 得べし、とは申し上げているが、短観で設備投資がしっかりしていることが即、 設備投資が強過ぎるという判断をしているわけではない。第2の柱でそこをリス ク要因として、今回の政策措置に直結して物事を判断したということはない」

「一方、ダウンサイドリスクはむしろ海外にある。これも共通認識になって いると思うが、海外経済についても丹念な点検をした。米国経済について、住宅 市場における減速、それと連関して個人消費が多少弱含みに推移している。米国 経済全体に減速気味ということはあるが、世界経済全体としては、むしろより広 がりを持って高い成長を続けているという認識だ。中国をご覧になってもそうだ し、欧州も景気回復のモメンタムがむしろ強まって展開している」

「その他、世界各国、新興諸国の経済を見ても、昨今の株価の下落の中にあ っても、新興諸国の経済のファンダメンタルズは非常にしっかりしていることが、 むしろ浮き彫りになっている。そういう意味で、世界経済の中で何か目先、強い ダウンサイドリスクを認識したわけではない」

「ただし、米国経済について、インフレ圧力がじわじわと一方で強まりなが ら、経済は住宅市場や個人消費を中心に減速プロセスに入っている。この先、米 国経済が潜在成長能力の近傍に成長率を緩やかに引き下げていきながら、同時に インフレ懸念についても抑制し続けていくことが可能な状況に至るかどうか、ソ フトランディングプロセスがメインシナリオ通りに進むかどうか、不確実性を残 している。それは市場も感じている。われわれも感じている」

「これは今後、冷静かつ慎重に見極めていかなければならない要因だ。われ われの今後の政策スタンスに絡む問題だが、今日の政策判断に直結したリスク要 因と判断したわけではない」

――株式市場の変動がかなり大きくなっているが、この日の決定ではどのように 判断したのか。

「株式市場の変動、変化は当然、実体経済と先行きとの関係で、それがどう いう意味を含んでいるかは、十分抽出して判断しなければ、政策判断として一部 が欠落することになる。そこは、私どもも十分意識している。特に5月中旬とい うか、上旬以降の世界的な株価の下落、あるいは調整については、その性格と実 体経済に及ぼす影響を非常に慎重にウオッチしてきた」

「つい最近までの世界的な株価の下落は、私どもの判断では、結局のところ、 各国の中央銀行が経済・物価情勢に合わせて金融緩和度合いの修正を慎重に進め る中で、市場参加者のリスク評価についての見直しが進んだ結果として、株価の 調整が生じた面がやはり強かったのかと思っている。世界経済のファンダメンタ ルズの先行きの悪さを、何か株式市場の動きが警告を発しているという感じでは むしろない、と取りあえず判断した」

「それが証拠に、かなりの株価の下落だったと思うが、新興諸国の経済を含 め、世界経済はむしろ地域的な広がりを見せながら着実に拡大している。その姿 に揺るぎがなかったということが、判断の1つの大きな材料になっている」

「しかしながら、ストーリーがそれですべてかと言うと、引き続きインフレ リスクを適切に抑制しながら、着実な成長を持続することができるか、特に米国 経済についてソフトランディングシナリオを実現することができるか、という点 について、米国の連銀は自信を持っていると私は思うが、世界の多くの観測者、 あるいは市場から見ると、やはり幾ばくか不確実性があらためて意識された」

「5月中旬以降の株価の下落の中に、最初に申し上げた要因プラス、特に米 国を中心とする不確実性に対する意識がもう1つ加味されていたと思う。そうい う意味では、5月中旬以降始まった世界の株価の変動、調整は、つい最近までの ところ、ある程度調整一巡感も一方で出ているが、しかし同時に、株式市場が非 常に安定したという状況に至ってもいない」

「昨日、今日あたりの世界の株価を見ていると、あらためて地政学的リスク の広がり、それと絡んで原油市場を巡る不安定感、恐らくどこかで、米国経済の ソフトランディングシナリオの不確実性をあらためて思い起こすとか、この辺の ところで、株式市場の地合いがやはり決して安定していないことが表に出てく る」

「こういったことを私どもはきちんと認識して、今後ともそうした諸情勢の 推移、そして株価の指し示すところはいつしか、われわれにとって好ましくない ことを警告として発することになるのか、ならないのか、冷静に見極めながら、 われわれは今後の金融政策スタンスにはきちんとそれは反映していきたい」

――公定歩合については、市場では0.5%という見方が強かったが、0.4%にと どめた背景をお聞きしたい。反対が3人いたが、その理由は何か。

「いわゆる補完貸付に対する適用金利は、今日は0.4%と、何となく収まり の悪い数字で結論を出した。ご指摘の通り、0.5%という数字の方がむしろ行動 しやすいというご意見があったことは、われわれもよく認識している。政策委員 会の議論も意見が分かれて、多数は0.4%だが、残りの方はやはり、0.5%の方 がむしろこの際、望ましいのではないかという意見だった」

「率直に言って、なかなか難しい判断だったと思う。一方で、ごく最近、市 場において、補完貸付がわれわれの事前の想定よりも非常に多く活用されている という事実がある。スプレッドが小さ過ぎると、どうしてもそういう現象を生ん でしまう。あまり補完貸付の依存度が高まり過ぎると、少なくともその瞬間は、 市場機能が十分生きない、なんだか窮屈だという感じになる欠点を持っている」

「一方、3月に量的緩和政策を解除した後、短期市場の回復ぶりもつぶさに ウオッチしてきたが、十分回復したかと言うといろいろな点でまだ十分とまで言 えない点を残している。回復の途上だ。そうなると、新しい目標が0.25%前後 で、市場調節を通じて概ねそうした水準に収めていくことが可能かどうか。市場 機能の回復が不十分であれば、時々この補完貸付制度を市場関係者がうまく利用 することによって、市場調節がむしろスムーズに行くという面と、両方ある」

「どちらを取るか、大変意見の分かれたところだ。むしろ市場機能の回復は 時の経過とともに進むことは間違いないので、この際思い切ってすっきりした方 がよいという意見と、何と言ってもゼロ金利から脱却した最初のステージなので、 数字は少し中途半端だが、現実的にここは行こうかと、両方の意見が分かれた」

「結論は0.4%ということで、スプレッドは従来の0.1%から0.15%に若干開 くが、スプレッドは異例の小さい状況が続く。われわれもそれは認識している。 ここは異例に小さい。なぜこんなに異例にしたかというと、少なくとも今日は、 市場の自由な金利形成に配慮しつつも、現実的にできるだけ小幅な変更にとどめ た。引き続きコールレートの安定的なコントロールを重視する必要があると判断 した」

「ずっと先々まで考えれば、スプレッドのあり方について、最終的にどんな 姿が望ましいか、われわれは勉強し続けたい。金利が0.25%でも付くと、市場 はうんと活性化してくる。その中で将来的にどのようなスプレッドが良いか、市 場関係者の新しい感覚をお持ちになると思うし、われわれもしっかり勉強してい きたい」

――前回2000年8月にゼロ金利を解除したときはわずか半年後に量的緩和政策 を実施してゼロ金利に戻った。今回、そのようなことにならないという自信はお ありか。

「展望リポートの基本方針に沿ってゆっくり調整していくので、何かわれわ れが先を急いで慌てたことをやると、また政策と経済のリズムが合わないという 危険を冒すことになりかねない。そこのところは、非常に注意してやっていかな ければならないと思う」

「そう申し上げた上で、今おっしゃったのは2000年との比較ということに なるが、決して安心材料だと思っているわけではないが、客観的に2000年当時 と今の日本経済を比較すると、少なくとも日本経済の成長の基盤は2000年の時 と比べて格段に頑健性を増している。あるいは、ショックに対してぜい弱性が少 なくなっていると思う」

「企業部門もいわゆる3つの過剰の調整が進んで、前向きの設備投資をしっ かりやっていこうという体制になっている。金融部門も不良債権が大幅に減って、 金融システムがほぼ完全に安定を取り戻しているので、2000年のころに比べて、 ショックに対するぜい弱性は非常に少なくなっている。むしろ頑健性が増してい る」

「したがって、海外要因などから多少、景気の下振れリスクが及んできたと しても、そのショックが国内要因で吸収できる。あるいは、国内要因で逆に増幅 される心配は、2000年のころよりは少なくなっている。決して安心材料として 申し上げているわけではないが、客観的に比較して、少なくともそれは言える」

「もう1つは海外の方だが、2000年のときは1990年代から長く続いたIT バブルの大きな崩壊が起こった。世界経済をすみずみまで見ると、今だってどこ かに何がしかの行き過ぎ、したがってその調整が起こるリスクはあると思うが、 2000年のITバブルの崩壊ほど大きなリスクがあるかと言うと、やはり今の時 点では比較的少ないのではないか。決してこれも安心材料ではないが、客観的に 見てそういうことが言えるのではないか」

「IT関係は非常に複雑だ。ITと言っても分野が非常に広くなり、分野ご とのつながりが複雑になっているので、なかなか読みきれないが、多くの識者の 意見を聞くと、IT部門で多少の調整が起こっても、そんなに大きな調整が起こ るリスクはあまりないのではないかと言っておられる。われわれもそう認識して おり、そうした内外両面の要因を客観的に見る限り、2000年に比べればリスク は少ない」

「しかし、だから安心して今後の政策をせいせいと進められるかというと、 われわれは職業的心配屋なので、十分点検しながらやっていかなければならない と思っている」

――現在、月1兆2000億円のペースで行っている中長期国債の買い入れについ て、どのような議論があったのか。

「長期国債を毎月かなりの額を買っているが、これが銀行券の発行残高との 比較とか、日銀のバランスシートから見て、長期の固定化が進み、将来の金融調 節の機動性を欠くという心配があれば、当然修正しなければならないが、今の段 階ではそこまでの心配をわれわれはまだ持っていない。したがって、これまで通 りにやっていくと決めた」

「金利が将来プラスになってくると、銀行券の発行残高に変化が生じてくる 可能性はあると思うし、日銀の保有資産が長期国債に偏りすぎると、調節の円滑 性を欠くという心配が出てくる可能性はあると思う。そうした心配があるのであ れば将来修正しなければならないと思うが、その場合でも市場に対して不測の驚 きみたいなことはやりたくないので、市場の予測可能性にも配慮しながら適切に 対応していくことになる。目先そうしたタイミングが見えているわけではない」

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