小泉首相「オルメルト・アッバス会談を」-パレスチナ支援表明(3)

イスラエル訪問中の小泉純一郎首相は12日 午前(日本時間同日夕)、エルサレムの首相公邸でオルメルト首相と会談し、イ スラエル軍とパレスチナ武装組織の間で衝突が続くなか、双方に最大限の自制を 促すとともに、共存・共栄による中東和平の実現に向けて、オルメルト首相とパ レスチナ自治政府のアッバス議長の会談の実現を強く求めた。

そのうえで小泉首相は、パレスチナに対する人道支援を継続する観点から、 アッバス議長を支援する方針を表明した。小泉首相が会談後の共同記者会見で明 らかにした。日本政府高官が現地で記者説明したところによると、オルメルト首 相は「アッバス議長と2人で会談していないが、双方の対話は静かに続けてい る」と述べたうえで、「アッバス議長への支援に同意する。アッバス議長を最大 限支援する」と賛同した。

首相は共同会見で、「オルメルト首相とアッバス議長の直接会談、そしてお 互いの和平に対する毅然たる目標、自制的な対応を心から期待している」と述べ、 両氏の直接会談の実現を唱えた。そのうえで「アッバス議長を支援する形で、日 本として独自の支援があるとオルメルト首相に話した」と説明した。

同高官によると、オルメルト首相は「大変重要な指摘をいただいた。自分も パレスチナ側の善意を信じている」と答えたという。

両首脳は、5日にミサイルを発射した北朝鮮やイランの核問題に関して「単 なる日本と地域だけの問題だけではなく、国際社会全体の平和に対する脅威だ。 国際社会が結束して対応しなければならない」(小泉首相)との認識で一致した。

オルメルト首相は会談で、北朝鮮に関して、「北朝鮮のミサイル発射を懸念 している。非民主主義国を隣国に持つことの危険性を肌で感じている」と指摘。 「イランに核濃縮を認めてはならない。北朝鮮は中東にミサイル技術を出してお り、北朝鮮とイランが協力することに懸念を持っている」と語り、北朝鮮がイラ ンの核開発に協力するような事態に強い懸念を表明した。

「平和と繁栄の回廊」構想を提唱-小泉首相

小泉首相は会談で、短期的な対策として「民間人死傷や発電所などの破壊は 解決に資さない」としてイスラエル側に最大限の自制を求め、パレスチナに対す る関税還付の凍結解除なども要請。中長期的な日本の対応として、イスラエル、 パレスチナ、ヨルダン、日本の4者による協議の枠組みの創設などを柱とする 「平和と繁栄の回廊」構想を提唱。ヨルダン渓谷で死海と紅海をつなぐ運河の建 設構想をめぐり、世界銀行が進めている建設調査への支援策として200万ドルの 拠出を表明した。オルメルト首相は歓迎の意を示した。

さらに小泉首相は両首脳は日本とイスラエルの経済・文化交流、政治対話、 科学技術などの2国間の協力関係を強化していくことで合意した。

パレスチナ武装組織は6月末にイスラエル軍兵士1人を拉致。これを受けて イスラエル軍はパレスチナ自治区に侵攻、同自治政府内閣を率いるイスラム原理 主義組織ハマスの閣僚らを拘束するなど衝突は激化している。

小泉首相は13日午前(日本時間同日夕)にはヨルダン川西岸ラマッラにあ るパレスチナ自治政府の大統領府でアッバス議長と会談し、イスラエルと共存 できるパレスチナ国家樹立構想の支援を表明する。