学資ローン証券化活発、ABS市場で高い伸び-幼稚園から大学院まで

【記者: Christine Richard 】

7月11日(ブルームバーグ):米国の学資ローン需要は、授業料などの高 騰を背景に過去最大規模となっている。その75%が証券化され、教育費の確保 でも債券市場の役割が高まっている。

格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスによると、今年上期 には学資ローン債権を裏付けとした債券、約440億ドル(約5兆200億円)が 発行された。このままいけば今年の発行額は、過去最高だった2005年通年の730 億ドルを上回る見通しだ。

格付け会社フィッチ・レーティングスのアナリスト、ブレント・グリフィ ス氏は、「債券市場は引き続き、高騰する教育費の調達を支えている」として、 「投資家の需要は堅調だ」と指摘した。

債券市場での調達が可能な環境を背景に、総合電機の米ゼネラル・エレク トリック(GE)は6月、学資ローンの提供を開始すると発表した。証券大手 の米ゴールドマン・サックスも、資産家のロバート・L・ジョンソン氏ととも に、学資ローン事業に参入する計画だ。学資ローンを裏付けとした債券は、相 対的に高い利回りとデフォルト(債務不履行)のリスクの低さから人気が高い。

米債券市場協会(BMA)によると、学資ローン担保証券の発行は2005年、 資産担保証券(MBS)のほぼ5倍のペースで拡大した。パッケージされるロ ーン債権には幼稚園から大学院までの学資ローン、さらにカジノディーラー向 け講習用ローンなどさまざまだ。

資産の幅を広げる手段

大学など教育機関の団体であるカレッジ・ボードによると、民間学資ロー ンの利用は過去10年で9倍になり、2004-05年の学年度は137億ドルだった。

ファースト・マーブルヘッドは6月に、学資ローン提供でGEと提携した。 GEは融資資金を提供し、インターネットやダイレクトメールを使ってローン を販売する。ファースト・マーブルヘッドはこのローン債権を証券化し、投資 家に販売する。

クレジットカードローンなどの消費者ローンと異なり、学資ローンでは貸 し手も債券投資家もデフォルトの場合に保護される。バークレイズ・キャピタ ルの仕組み金融グループのアナリスト、ジュリエット・ジョーンズ氏は「クレ ジットカードローンは破産によって一掃できるが、学資ローンはそうはいかな い」と語った。

学資ローン担保証券の年初来のリターン(投資収益率)は2.77%。これに 対し、米国債はマイナス1.03%だ(メリルリンチ調べ)。野村セキュリティーズ・ インターナショナル(ニューヨーク)のABS分析グループ責任者マーク・ア デルソン氏は「住宅ローン担保証券で金持ちになることはできないが、保有資 産の幅を広げる手段の1つだ」と話している。