企業利益はピーク、株価は低迷へ、投資家は安心し過ぎ-英投資顧問

【記者: Michael R. Sesit 】

7月10日(ブルームバーグ):ロンドンの投資顧問会社、スミザーズのア ンドルー・スミザーズ会長は、5、6月の下落後に安定した株式相場に、世界 の投資家は安心し過ぎていると考えている。同会長の長期的見通しは、成長減 速と企業利益の減少、世界の株価低迷というものだ。

同氏は、世界の中央銀行がインフレ抑止のため利上げを続けるなかで、成 長率と企業の利益率が急落する可能性があるとみている。スミザーズは世界の 100以上の顧客に、国際分散投資についてのアドバイスを提供している。

同社設立前にSGウォーバーグに27年在籍し、投資管理業務に携わったス ミザーズ氏は「このようなシナリオが現実となる可能性を、現在のところ投資 家はほぼ無視しているようだ」と話す。同氏は「2、3年以内のリセッション (景気後退)入りの可能性は高く、利益率の大幅低下はほぼ確実」とみている。

スミザーズ氏は2000年3月に出版した書籍で、米株の割高感を指摘。S& P500種株価指数はその後2年半に49%下落した。同氏はその10年前には、日 本株の長期下落も正しく予言した。

スミザーズ氏によると、米事業会社の利益率は過去60年の変動範囲の上限 付近にある。非金融機関の利益率は第2次世界大戦以後の最高となっている。 同氏は、利益率は長期的な平均に回帰する傾向があると指摘。従って、向こう 1-5年の間に低下するとの予想を示した。

英国、ドイツ、フランスの株式市場は多国籍企業が中心となっていること から、欧州市場に上場する企業の利益は米企業と同様の傾向をたどるだろうと 同氏はみている。また、日本企業の利益拡大が加速する可能性は低いとして、 日本の金利の方向は上昇しかあり得ないためだと説明した。

同氏は、企業買収と自社株買い戻しが当面の株価を支えるとみているもの の、株価は「現在の半分になる可能性は十分にある」として、上昇した機会を とらえての売りを勧めている。

スミザーズ氏は、「景気が軟着陸することはめったにない」と述べた。同氏 は、世界の中央銀行による過剰流動性の吸収が高成長の流れを反転させる可能 性があると分析。その上で、最悪のシナリオとして、中銀がインフレ期待の抑 え込みに失敗する場合を挙げ、「その場合はスタグフレーションが起こり、低収 益と金利上昇の時期が長引くことになるだろう」と話した。