改正証取法が施行、インサイダー罰則強化-「大量保有報告」短縮化(2)

インサイダー取引違反の懲役刑を5年以下に強 化した改正証券取引法が4日、施行された。証券取引法を「金融商品取引法」(い わゆる投資サービス法)に改正する一環で、ライブドア事件などを受けて相場操縦 といった不公正取引の罰則を先行して強化する。

改正証券取引法(6月14日公布)は、段階を踏んで金融商品取引法に名称を変 更、投資性の強い金融商品を幅広く網羅する法制になる。第1段階として不公正取 引の罰則強化部分が4日施行された。ライブドア事件で東京地検特捜部が堀江貴文 被告らの罪にあげた「風説の流布・偽計」ついての罰則も強化された。

第2段階として年末までに、株式公開買い付け(TOB)制度を見直す。現行 法では市場外での3分の1超の株式取得はTOBが必要。これに対して市場外で3 分の1以下、その後の市場での買い付けで合わせて3分の1超にする取引がみられ た。こうした取引を禁止、一定期間内の株式取得にはTOBを義務付ける。

大量保有(5%ルール)報告書の制度も一部年内に変更される。投資家が企業 に重要提案をすることを目的に株式を取得する場合、速やかな報告書提出が義務付 けられる。一部の機関投資家に認められている特例報告は、原則3カ月ごとの提出 が2週間ごとに短縮される。この特例変更は2007年6月までに施行される。

最終段階として2007年末までに証券取引法を金融商品取引法に改正する。証券 業の名称は「金融商品取引業」に改められる(証券会社や証券取引所の名称は継続)。 また、金融商品取引法下では、四半期報告書も2008年4月1日の事業年度から提出 が必要になる。提出期限は期末から45日以内。不透明との批判が強かった投資ファ ンドの登録、届出も義務付けられる。

ファンド一括規制可能の見方

制度問題に詳しい大和総研の吉川満・資本市場調査本部長は、改正証取法につ いて「もともと業種横断的な規制が必要で、金融商品取引法でこれが実現する」と 評価した。特にファンド規制について「民法上の組合や投資信託を含めたすべての ファンドを統一の枠組みで規制できるようになり、投資者保護の環境が整備される」 と強調した。

公認会計士の磯崎哲也氏は、改正証取法での大量保有報告書の特例変更につい て「報告書が頻繁に出てくる場合、該当企業の株価形成について投資家をミスリー ドすることになるかないか」などとして、状況を見極める姿勢を示した。

       【4日施行の改正証券取引法の主な内容】(カッコ内は改正前)
○有価証券届出書の虚偽記載、風説の流布・偽計、相場操縦
 「10年以下の懲役または1000万円以下の罰金」(5年、500万円)
○インサイダー取引
 「5年以下の懲役または500万円以下の罰金」(3年、300万円)
○証券取引等監視委員会の検査権限の強化
○いわゆる「見せ玉」について顧客による行為を課徴金の対象に、証券会社(自己
  計算)による行為は刑事罰・課徴金の対象に
    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE