タイ株のPERはアジアで最低-長引く政情不安で株安持続も

タイ株は業績との比較でアジア株のなかで 最も割安であり、同国の中央銀行は利上げ打ち止めの姿勢を示しているものの、 年初以降の下げを回復する可能性は低いようだ。政治の行き詰まりが理由だ。

タクシン首相が3年前倒しで実施した4月の総選挙に野党勢力がボイコ ットしたことから、タイの議会は4月以降、機能停止の状態にある。政府の歳 出に遅れが生じており、金利や燃料費の上昇で企業収益や景気は打撃を受けて いる。

ファースト・ステート・インベストメント(シンガポール)でグローバル 新興市場株の運用に携わるアリステア・トンプソン氏は、「企業には魅力があ るが、現状は政治リスクが高まっている」と指摘する。

タイ株の指標のSET指数の予想株価収益率(PER)は10.3倍と、ブ ルームバーグが調査対象とするアジア太平洋地域の14の株価指数で最低。タ イで最大のエネルギー会社で、SET指数の組み入れ比率最大のPTTは7.2 倍にとどまっている。

タイ中銀は先月、政策金利は「適切」な水準にあるとの認識を示し、9回 連続で実施した利上げ局面は終わりに近づいていることを示唆した。中銀は7 月19日に次回政策会合を開く。

ティスコ・アセット・マネジメント(バンコク)で20億ドルの運用に携 わるエカチャイ・チョングビザル氏は、「利下げや利上げ打ち止めは大きな支 援材料にはならないだろう」と述べ、「政情不安で、今は難しい時期だ」と指 摘した。

SET指数は先週、2.8%上昇し678.13ポイントで終了。上昇率はモルガ ン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル(MSCI)アジア太平洋 指数の4.7%を下回った。タイ株は割安感があったにもかかわらず、第2四半 期(4-6月)は世界的な株安の流れを避けられなかった。SET指数は7.5% 下落し、MSCIオールカントリー・ワールド指数(1.4%安)よりも大幅な 下げを演じた。

タイ議会は2月24日以降招集されていない。4月2日のタイ総選挙はそ の後、裁判所が無効と判断。10月15日にやり直し総選挙が予定されているも のの、検察当局は与党タイ愛国党と野党民主党を選挙法違反で起訴する考えを 表明しているだけに、日程が狂う可能性もある。

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