ポールソン次期米財務長官:最初の仕事は財務省の影響力強化か

ブッシュ米大統領は次期財務長官にゴール ドマン・サックス・グループの最高経営責任者(CEO)、ヘンリー・ポールソ ン氏を指名した。ロバート・ルービン元財務長官と同様にウォール街の重鎮で、 金融市場の信認の厚い人材を選んだ。

問題は、ブッシュ大統領が次期財務長官に、クリントン政権下でのルービ ン長官と同じように、政策決定への関与を認めるかどうかだ。

ブッシュ政権では、スノー長官もオニール前長官も、大統領の側近に加え られることなく、ホワイトハウスの政策を売り込むセールスマンに徹すること になった。ポールソン氏については指名後すぐに、政策決定チームの一員とな るとの発言がブッシュ政権当局者から相次いだ。

ホワイトハウスのトニー・スノー報道官は記者団に「財務長官は広告マン ではない」として、「経済チームの重要な一員だ」と述べた。

ブッシュ政権のこれまでの5年半については、これは当てはまらない。企 業やウォール街での輝かしい経歴を携えて政権入りした著名な人材の何人かは、 意思決定がホワイトハウス主導で行われるなか、十分に評価される機会のない まま政権を去った。

クリントン時代はそうではなかった。クリントン政権下で国家経済会議(N EC)委員長を務めたジーン・スパーリング氏によると、同政権では「ルービ ン財務長官が経済政策決定を主導した」。そのような構造はブッシュ政権にはな いと同氏は指摘する。

ポールソン氏は政治に関し、ルービン元長官ほどの経験がない。ブッシュ 大統領は30日、ポールソン氏は「経済問題を明確な言葉で説明できる」と評価 し、国内外の問題で「主要なアドバイザー」になるだろうと期待を表明した。

金融市場に予想外の衝撃が起こり、動揺した投資家が政権に対応策を求め ることがあれば、財務省の強い発言力は極めて重要なものとなるだろう。