東京外為:ドルが112円前半、米為替政策を見極めへ-投信需要が下支え

午前の東京外国為替市場ではドル・円相場が 1ドル=112円前半でもみ合っている。次期米財務長官の為替政策を見極めたい とのムードが広がるなか、ドルはレンジ内での動きが続く一方、東京時間は投信 設定に伴うドル需要を背景にドル・円は一時、112円38銭まで強含む場面もみ られた。

カリヨン銀行資本市場本部の政井貴子部長は「きのうの海外市場ではポール ソン次期財務長官の指名や弱めの米指標を受け、ドルが上下したものの、振り返 ってみれば結局、レンジだった」と語る。

政井氏は、ポールソン氏はウォール街出身ということで、企業よりも経済政 策を優先させると期待されるものの、為替について実際にどのような方針をとる かはまだ不透明であるため、「レンジを離れてドルを買い戻す感じでもない」と 指摘。米国の為替政策が読み切れないなか、ドル・円はこのところのレンジのな かでの推移が続き、この日発表される米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録 を待つことになるとみている。

ポールソン次期財務長官「競争力を維持」

ブッシュ米大統領は30日、スノー財務長官の辞表を受理するとともに、次 期長官に米証券大手、ゴールドマン・サックス・グループのヘンリー・ポールソ ン最高経営責任者(CEO、60)を指名した。上院の承認を経て、スノー財務長 官の後任に就く。

ポールソン氏は会見で「米国経済の強さは起業家精神に根付いている。素晴 らしいことだが、それを当然だと思ってはいけない。世界で競争力を維持するた めに手段を講じることが必要だ」と話した。

三菱東京UFJ銀行市場業務部の高見和行調査役は、次期財務長官にポール ソン氏が指名されたことについて、「金融業界出身ということで、ドルに対して ポジティブなスタンスを取ると思われたが、ブッシュ政権下で指導的役割を持っ て、為替政策を運営できるとは考えにくく、発言内容からすると、従来の路線と 大きく変わらない」と指摘。米国の為替政策をめぐる不透明感が残るなか、ドル は買い進めづらい状況が続く、と語る。

なお、米財務省のフラット報道官は30日、現政権の強いドル政策や経済政 策が次期財務長官の下で変わるかどうかについて、「米財務省の政策と大統領の 政策に相違はない。また、あるべきではない」とし、「大統領に変わりがないの だから、政策にも変わりはない」と述べた。

5月の米消費者信頼感指数、103.2に大幅低下

米民間調査機関のコンファレンス・ボードが30日に発表した5月の米消費 者信頼感指数は103.2と、前月の109.8(速報109.6)を下回った。今回の低下 幅は、昨年に大型ハリケーン「カトリーナ」の影響でエネルギー価格が高騰した 時以来の最大となった。ただ、ブルームバーグがまとめたエコノミストの予想中 央値100.9は上回った。

一方、米シカゴ連銀のモスコウ総裁は、米経済専門局CNBCテレビのイン タビューで、このところの消費者物価を示す指標では、インフレが適正とされる レンジの「上限」にあることが示されているとし、インフレの低下が望ましいと の見解を示した。

FOMC議事録を警戒―需給はきっ抗か

景気減速とインフレ加速の懸念がくすぶるなか、この日は5月10日開催分 の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録が公表される。

同会合では2004年6月以来16回連続となる利上げを決定する一方、声明文 で、「インフレ・リスクを是正するため、さらなる引き締めがなお必要になるか もしれない」と指摘。追加利上げの余地を残す一方、今後の金融政策が経済指標 に大きく依存することを強調した。

一方、前回3月のFOMC議事録では、大半のメンバーが利上げの終了が近 いと考え、一部のメンバーは引き締めが行き過ぎる危険性に懸念を表明していた ことが明らかとなった。

このため、今回の議事録では、インフレ・リスクについての具体的な議論と ともに、5月の追加利上げを決定した上での「引き締めの行き過ぎ」リスクに対 するメンバーの見解が注目される。

三菱東京UFJ銀行市場の高見氏は、議事録で利上げの打ち止めについて、 深く議論がされていたことが確認されれば、ドルの重しになる可能性もあり、警 戒感から積極的にドルを買う動きは見込みにくい、と語る。

ドル・円は需給が下支え

一方、ドル・円については、月末ということで輸出企業の散発的な売りが予 想される一方、引き続き外貨建て投信に絡んだドル需要が見込まれている。

アテナFX株式会社資金為替課の工藤隆マネジングダイレクターは「きょう はきのう以上の外貨建て投信の設定が予定されているようだ」と指摘する。 ただ、1ドル=112円50銭からは売り注文も控えているといい、ドルの上値は 限定されそうだ。

--共同取材:吉川淳子 Editor:Kaimai

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