5月FOMC議事録:メンバーは次回金利決定について確信持てず(3)

米連邦準備制度理事会(FRB)が31日 に公開した連邦公開市場委員会(FOMC、5月10日開催)議事録によると、 メンバーはフェデラルファンド(FF)金利誘導目標をさらにどの程度引き上 げるべきかについて確信が持てなかった一方、「やっかいな」インフレ期待は 後退する可能性があると判断していた。

5月FOMCの議事録は、「メンバーは、この日(10日)の利上げ後さら に引き締めが必要だとしても、どの程度が必要かについて確信がなかった」と 記述。また、「長期的な(インフレ)期待の明らかな高進はやっかいだが、比 較的小幅にとどまっている」とし、上昇は「じきに反転する可能性は十分にあ る」と続けている。

議事録では、5月FOMC声明に至った協議のさらなる全体像が明らかに なった。FOMC声明では次の金利決定に関して明らかな示唆がなかったが、 これは過去3年間で初めてのことだった。バーナンキ連邦準備制度理事会(F RB)議長をはじめとするFOMCメンバーは、これまで16回連続で実施し たFF金利誘導目標の引き上げをいつ休止するかについて決断を迫られている。

議事録はさらに、「この日(10日)の25ベーシスポイントの利上げを含 め、今後の緩やかな政策決定により、経済活動の伸びは今後数四半期にわたり 徐々に鈍化し、原材料に対する圧力は引き続き限られ、コアインフレは過去1 年間にみられた水準付近にとどまる公算が非常に大きい」とした。

同議事録公表直後のニューヨーク時間午後2時6分現在、米2年債利回り は前日比4ベーシスポイント上昇し5%で推移している。

5月FOMCでは全会一致で4.75%から5%への利上げが決定された。ま た議事録によると、FOMCメンバーは、金利の据え置き、もしくは5.25%へ の利上げについても議論した。ただ、こうした選択肢を支持したメンバーはい なかったという。

小委員会

FOMCはこの2年間、インフレを抑制し、景気拡大を圧迫しない「中 立」金利に達することを目指して、FF金利誘導目標を1%から引き上げてい る。

3月と5月のFOMCの間にバーナンキFRB議長は、コーン理事を中心 に、スターン・ミネアポリス連銀総裁とイエレン・サンフランシスコ連銀総裁 で構成するコミュニケーション問題を研究する小委員会を発足させた。

同議事録の要約によると、コーン理事は10日のFOMCで同小委員会の 目的について、「今後のFOMCでこうした広範な問題の協議を構成し、組織 立てる」ことを支援するためだと説明した。

景気減速見通し

連邦制度の内部見通しでによると、米景気拡大は第1四半期に年率5.3% と、2年半で最も速いペースに達した後、減速に向かう。この日公表された議 事録では、この予想では景気拡大が「過去の数四半期の平均ペースから幾分鈍 化」していることが示されていると指摘された。

2月にグリーンスパン前議長から議長職を引き継いだバーナンキ議長は、 4月に議会証言で、景気とインフレに関するリスク判断が均衡する前に、利上 げを休止することもあり得ると語った。

インフレ

インフレが緩和している兆候はほとんどみられない。米商務省が26日に 発表した4月の個人消費支出(PCE)コア価格指数は前年同月比で2.1%上 昇した。

これはバーナンキFRB議長や他の複数のFOMCメンバーが望ましいと する1-2%の範囲を上回っている。この日公表された議事録では、「コアイ ンフレはこのところ、予想されていたよりも若干高い」と指摘された。

また、議事録では、「最近の展開をみると、インフレに対する上振れリス クは3月FOMC以来幾分上昇していることが示唆された」とした一方、メン バーは賃金の「緩やか」な伸びや、「比較的広い利幅」、生産性の一段の向上 など、インフレ抑制効果が期待される要素にも言及したという。

さらに同議事録は、ドルのこのところの下落に言及し、「インフレ圧力を 高めうるもうひとつの要因だが、これまでのドル相場の変化がコア消費者物価 与えた影響は明らかに限られたものだった」と指摘した。