サッカーW杯、ドイツ景気浮揚には効果薄-消費増加は「大海の一滴」

サッカーのワールドカップ(W杯)の大手 スポンサー企業はすでに、ドイツ大会開催による利益を手に入れているが、ドイ ツ国内の企業にとっては利益の獲得はより難しいようだ。

ベルリンの主要ショッピングスポット、クアフュルステンダムでファストフ ード店を経営するヘルベルト・アインガング氏(45)は「誰もがこの大きなパイ の一切れを欲しがっているが、実際にはこれに群がる人がとても多すぎる」と述 べ、「W杯に期待をかける人々は失望することになるだろう」と語った。ベルリ ンは1カ月にわたる大会期間中、64試合のうち6試合の会場となる。

ドイツ銀行によると、6月9日に開幕するW杯の効果で、消費は50億ユー ロ(約7180億円)増加し、100万人がドイツを訪れる見通し。スポーツ用品メ ーカーで世界最大手の独アディダス・ソロモンや薄型テレビを生産しているオラ ンダのロイヤル・フィリップス・エレクトロニクスなどの企業は、主要市場でビ ジネスが好調であることを明らかにしているが、エコノミストらは、ドイツ経済 にはW杯の効果はほとんどないと予測している。

ドイツ銀(フランクフルト)のエコノミスト、シュテファン・ビールマイア ー氏は「多国籍企業は世界中で商品を販売しているため、W杯から恩恵を受ける ことができる」が、「比較的規模の小さい企業への影響は極めて限定的だ」と分 析する。

W杯の開催国となるドイツでは、国内消費に回復の兆しは乏しい。失業率は

11.3%と高い上、エネルギー費用は上昇し、来年には付加価値税が引き上げられ ることから、W杯による今年の独経済成長の押し上げ効果は0.1ポイントにとど まると、ドレスナー銀行は予測している。

W杯の大手スポンサー企業も、ドイツの個人消費をあまり頼りにせず、世界 全体で需要を開拓している。アディダスはアルゼンチンのエルナン・クレスポ選 手が着用したジャージの複製を販売。ジレットはイングランドのキャプテン、デ ービッド・ベッカム選手を起用してかみそり製品を広告している。

アディダスは、サッカー関連売り上げが今年12億ユーロを超えると予想し ているが、主催国ドイツのジャージの売り上げは、参加国全体の3分の1にとど まると見ている。フィリップスは先月、薄型テレビの需要好調で1-3月期利益 が37%増加したと発表したが、ドイツの売り上げは全体の7%にとどまってい た。

ドレスナー銀行のデービッド・ミレカー氏は、サッカー・ファンによる消費 の増加分は、2兆ドル規模のドイツ経済と比べれば「大海の一滴」にすぎないだ ろうと指摘した。

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