ブラジル、メキシコ、ペルーのデフォルト・リスク上昇-大統領選控え

メキシコ国債がデフォルト(債務不履行) に陥るという不安はもはや、考えられないことではなくなった。同国の大統領 選挙戦で、社会主義系の革命民主党のロペス・オブラドール前メキシコ市長が 与党国民行動党候補のフェリペ・カルデロン元エネルギー相と接戦を演じてい るためだ。

ペルーではすでに、デフォルトがうわさされている。大統領選挙戦で有力 視されている候補が、1980年代の債務返済停止で記憶に残っている人物だから だ。ルラ大統領の就任以降、財政赤字が減少し、インフレ率が約半分に低下し たブラジルでさえも、不安は増大している。

こうしたなか、中南米諸国政府が外貨建て債務1600億ドル(約18兆円) の履行を怠った場合に備えた保証コストが急上昇中だ。ブラジルだけでも、3 月以降59%上昇した。米金利上昇による世界的な景気減速の可能性が高まるな か、財政を脅かしかねないペースの歳出を候補者が公約すれば、保証料はさら に上昇する可能性があると、多くの銀行関係者らは指摘している。

米公共政策調査団体アメリカン・エンタープライズ・インスティチュート のシニアフェローで、24年間にわたる国際通貨基金(IMF)エコノミスト経 験を持つデスモンド・ラックマン氏は「中南米が過去に逆戻りする明らかな兆 候があるとすれば、それは今だろう」と述べ、「候補者は経験豊富であり、薄氷 を踏む状態にあることは承知している」と語った。

クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)を使って2011年までブラジ ル債1000万ドル相当を保証する年間コストは現在、17万4417ドル。先週は20 万5762ドルと、1月以来の高水準に達した。

投資家の間では中南米地域で今年行われる選挙の行方をめぐり、新しい指 導者が、ベネズエラのチャベス大統領やボリビアのモラレス大統領をまねて歳 出拡大や外国資産の差し押さえなどを行いかねないとの懸念も高まっている。