スイス株「買い」と金属「空売り」は株式相場低迷の生き残り策

【記者: Michael R. Sesit 】

5月29日(ブルームバーグ):退却の巧拙(こうせつ)が指揮官の価値を 決めるのは、株価下落環境での株式市場でも同じだ。ニューヨークからムンバ イ、サンパウロまで、広範な市場での株価下落を受け、投資家は新興市場株バ スケットの「空売り」に、米国債や食品株の買いなどを組み合わせたディフェ ンシブ戦略に走っている。

シティグループのプライベートバンク部門主任投資ストラテジスト、クラ ーク・ウィンター氏は、「投資家は投機的なポジションを解消し、買われ過ぎの 市場から撤退することを望んでいる」と話した。

モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル(MSCI)新 興市場指数は最高値をつけた5月8日から13%下落している。ダウ欧州株価指 数は5月9日に付けた5年ぶりの高値から6%下落。日経平均株価は月初来高 値から7.6%下落した。

よく持ちこたえている米国株もS&P500種株価指数が5月5日の5年ぶり 高値から3.4%安。下落の大きいトルコ、ブラジル、インドでは新興市場株のピ ーク時から、ドル建てベースでそれぞれ25%、15%、15%下落となっている。

BCAリサーチ(モントリオール)の世界ストラテジー責任者、チェン・ チャオ氏は、相場が再び上昇することを予想しながらも、ディフェンシブ戦略 を推奨している。同氏によると、強気相場の調整では、S&P500種が1-3カ 月間に10-20%下落することが多い。今回は高金利による世界的な景気減速に 伴い、調整が幾分長引く可能性があると同氏はみている。

同氏は、S&P500種や英FT100種、スイス株などへの投資を増やし、日 本とカナダ、スウェーデン株は減らすことを勧めている。また、食料品や飲料、 たばこ、日用品メーカーなどの消費関連銘柄の買いを推奨する一方で、原材料 メーカー株の「空売り」を勧めている。

同氏はまた、新興市場株の保有を続けることを推奨。新興市場株は銅など 工業用金属相場と同方向の動きをしている一方で、先物を使って金属のバスケ ットを空売りすることで、新興市場株の一段安に対するヘッジができると指摘 している。

さらに勇気のある投資家には、金属相場下落を見込んだオーストラリア・ ドルとカナダ・ドル、チリ・ペソの空売りも選択肢だという。