中国株、新興市場株急落乗り越え上昇持続か-国内投資家の投資拡大

新興市場株の1998年以来最長の下げ局面を よそに、中国株は10カ月にわたって上昇している。中国の国内投資家の1兆9000 億ドル(約213兆円)に上る貯蓄がさらに株式投資に回れば、中国株は一段高 となりそうだ。

上海と深センの株価指数は先週、下落したが、5月の上昇率はなお12%を 超えており、ブルームバーグが調査対象とする世界の指数80の中で最大の値上 がりだ。両市場上場銘柄で時価総額最大の中国石油加工(Sinopec)は 5月に11%上昇した。

中国株の上昇とは対照的に、モルガン・スタンレー・キャピタル・インタ ーナショナル(MSCI)の新興市場指数は今月8.5%下落した。同指数は商品 相場の下落や金利上昇を受けた海外投資家の売りを受け、10日連続で下落した。

国康君安アリアンツ・ファンド・マネジメントで7億2000万ドル相当の運 用に携わるツァン・シュエジュン氏は、「われわれは中国株に対して長期的に強 気だ。国内投資家は引き続き、指数上昇の主要な原動力になるだろう」と述べ、 「外国人投資家の関与は今のところ低いままであり、(新興市場の)動揺を乗り 切ったのはこれが理由だ」と分析した。

4年にわたる弱気相場が終了した昨年7月11日以降、上海総合指数は60%、 深セン総合指数は69%上昇した。政府は国有株売却に動き、景気抑制策を強化 したものの、国内投資家は市場に戻ってきている。

MSCI新興市場指数は22日までの10営業日で15%の大幅安を演じ、イ ンドやロシアの取引所は1時間の取引停止措置を余儀なくされた。欧米や日中 の中央銀行による利上げで借り入れコストが上昇し、世界経済が鈍化するとの 見方が広がり、比較的リスクの高い資産への投資魅力が低下したのが背景にあ る。取引所のデータによると、海外投資家は先週、韓国市場から15億4000万 ドルを引き揚げた。インド市場からは先週の前半3日間で9億1400万ドルの資 金が流出した。

ドイツ銀行(シドニー)のアジア資産運用担当者、トム・マーフィー氏は、 「神経質になっている米国や欧州の資本が本国に還流するという典型的なパタ ーンだ」と述べた上で、「今の市場の混乱が中国に大きな影響を与えるとは思わ ない」と語った。

中国の居住者による投資が拡大している。中国証券監督管理委員会による と、第1四半期(1-3月)の株式取引口座開設件数は前年同期比で51%増加 した。上海のA株市場の1日平均売買代金は今年、164%増加し23億ドルとな っている。