新興市場株ファンドへの資金流入止まる-資金引き揚げ加速も

新興市場(エマージング・マーケット)株 ファンドへの資金流入が先週、年初来平均の3%未満の水準に落ち込んだ。世 界的な金利上昇の兆しや商品相場の急落を受け、投資家はインドやロシアなど の新興市場株を敬遠した。

調査会社エマージング・ポートフォリオ・ファンド・リサーチによると、 5月17日までの1週間の新興市場株ファンドへの純流入額は4300万ドル(約 48億2900万ドル)にとどまった。これは、年初来の平均16億ドルの3%に満 たない。エマージング・ポートフォリオは、合計運用資産5兆ドルの1万ファ ンドを対象に集計した。

今週は、新興市場株ファンドからの資金流出が増える可能性がある。8日 に過去最高をつけたモルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル (MSCI)エマージング・マーケット指数は、22日までの10営業日続落し、 8年ぶりの長期下落を演じた。

新興市場株ファンドへの年初来の純流入額は330億ドルと、過去最高だっ た2005年全体の203億ドルを大きく超えている。

ベアリング・アセット・マネジメントで運用に携わるアラン・リチャード ソン氏は「信頼が揺らいだ。投資家はリスク資産から手を引くだろう」として、 「資金流出が起こるだろう。その影響の全容はまだ表れていない」と指摘した。

2001年9月以来で約3倍に上昇している新興市場株への関心は、ここ2週 間に急速に薄れた。米国と欧州、日本、中国の金融当局がそろって利上げをし、 成長減速とともにリスク資産への需要後退を招くとの懸念が背景にある。

アリジアント・インターナショナル・エクイティ・ファンドで運用に携わ るマーティン・シュルツ氏は東京でインタビューに答え、「流動性相場の終わり だ」として、「世界中の中央銀行が、利上げで市場から流動性を吸い上げている」 と語った。

商品市場

商品市場の動向も懸念材料だ。商品先物19品目で構成するロイター・ジェ フリーズCRB指数は先週、週間ベースとしては25年で最大の下落を演じた。

これらを背景に、新興市場株のパフォーマンスは8四半期ぶりに先進市場 を下回り、1980年代以来で最長の上昇相場が終えんを迎える可能性がある。リ チャードソン氏は、「今月初めの高値が戻ることはなく、相場は上下しながら下 落していくのではないか」と弱気の見方を示した。

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