NY外為:ユーロ上昇、ECBの利上げ示唆で買い-1.28ドル後半(2)

ニューヨーク外国為替市場ではユーロが上 昇。ドル、円および12以上の通貨に対して値を上げた。欧州中央銀行(EC B)の政策委員会メンバーらがECBはインフレ抑制のために政策金利を引き上 げる用意があることを示唆、これがユーロ買いにつながった。

ユーロは今年に入り、ECBがあと3度の利上げを実施するとの観測から対 ドルで8%以上、対円で約3%上昇した。また、世界的に株式市場が軟調なこと に加え、投資家がより安全性の高い資産を求めていることもユーロ上昇の一因と なった。

ヘッジファンドのテンペスト・アセット・マネジメント(カリフォルニア州 ニューポートビーチ)の主任トレーダー、エンリコ・カルソ氏は、「ECBは必 ずインフレに焦点を当てていくだろうし、インフレ対策にも懸命に取り組むとみ られている。欧州利上げが実施される可能性は高く、そうなればユーロ相場にと っては好都合だ」とコメントした。

ニューヨーク時間午後5時現在、ユーロの対ドル相場は1ユーロ=1.2867 ドル(前週末遅くは同1.2778ドル)。15日には同1.2972ドルを付け、1年ぶり のユーロ高水準となった。対円では1ユーロ=143円51銭(前週末遅くは同142 円71銭)。一方、ドルの対円相場は、1ドル=111円51銭(前週末は同111円 68銭)。

ユーロ圏金融政策

ECBは昨年12月および3月の会合で政策金利を引き上げ、現在2.5%で 設定している。同銀行政策委員会メンバーでオーストリア中央銀行のリープシャ ー総裁は22日、ウィーンでのイベントで、「金融政策は依然として非常に緩和 的だ」とコメントした。また、ECBのチーフ・エコノミストでもあるイッシン グ理事も同イベントに出席、記者団に対し、「予想通りに物事が進行すれば、緩 和的スタンスを解除する理由がある」と語った。

欧州連合(EU)統計局(ユーロスタット)が17日発表した4月のユーロ 圏12カ国の消費者物価指数は前年同月比2.4%上昇と、前月の2.2%上昇から伸 びが加速した。ECBは同指数を2%以下に抑えることを目指している。

3カ月物欧州銀行間貸出金利(EURIBOR)12月限は先週、11ベーシ スポイント(bp、1bp=0.01ポイント)低下し、3.43%に落ち込んだ。この日 は3.40%だった。

オランダのザルム財務相とギリシャのアロゴスクフィス経済・財務相はとも にユーロ高がユーロ圏経済に打撃を与えることはないだろうと述べている。

この日はまた、世界的な株安が進行したこともユーロ高を助長した。日経平 均株価の終値は3月8日以来初めて1万6000円を割り込んだ。欧州株式相場も 約4カ月ぶりの安値をつけ、新興市場の株式相場も10営業日連続で下落した。 スイス・フランは22日に1%値上がりした。

ユーロ上昇の抑制要因

連邦公開市場委員会(FOMC)が6月末に開く会合ではフェデラルファ ンド(FF)金利誘導目標が再び引き上げられるとの観測があり、これが対ドル でのユーロ上昇を抑える可能性がある。金利先物動向によると、FOMCが6月 にFF金利を5.25%へ引き上げる確率は56%となっている。1週間前は42%だ った。

豪ウエストパック銀行の為替ストラテジスト、ショーン・キャロー氏(シド ニー在勤)は、「これから発表される米国の経済統計では、前向きな意味でのサ プライズ(驚き)を期待できる段階におそらく近づいている。今後数週間以内に ユーロ相場は1.26ドルかそれ以下に下落するとみている」と述べた。

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