バーナンキFRB議長:ヘッジファンドの最善の監督は市場の規律

バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB) 議長は16日、米ジョージア州で開催のアトランタ連銀主催のヘッジファンド会 議での講演で、ヘッジファンド業界を規制する役割を担うのに、市場は政府よ りも適しているとの考えを示した。市場の自由を重視するグリーンスパン前F RB議長の考えを踏襲した。

バーナンキ議長は「市場経済における過度なレバレッジなどのリスクテイ ク(リスク引き受け)の要素を規制する主要なメカニズムは、債権者や取引相 手などが定める規律だ」と述べた。

2月の就任以来初のヘッジファンドに関する発言で、バーナンキ議長は業 界に対する政府規制は恐らく利点よりも害が大きいとした前議長と同じ考えを 示した。

バーナンキ議長は、銀行や証券会社には取引相手を監視する「強い動機が ある」上に、情報の入手も容易だと指摘。「規律を定める責任を市場参加者に 委ねることは、経済的に理にかなっている」と述べた。

ニューヨーク大学スターン校のスティーブン・ブラウン教授(金融学)は 「バーナンキ議長のアプローチは非常に現実的だ」と評価し、「FRBは自己 規制強化を働き掛けることができる。自己規制は業界の利益になる」と述べた。

ランドール・クォールズ米財務次官(国内財務担当)はワシントンでのイ ンタビューで、ヘッジファンド業界への規制を政府が強化する必要はないとの 考えを示した。

ヘッジファンドに関するFRBの評価は総じて、リスク分散や価格決定の 効率化に寄与する重要な市場参加者というものだ。ただ、ロングターム・キャ ピタル・マネジメント(LTCM)の事実上の破たんが示すように、ヘッジフ ァンド放任にはリスクもある。当局者は一部の銀行や証券会社の問題点を指摘 することもしている。

バーナンキ議長は「過度のレバレッジやリスクテイクを抑える上で市場の 規律が効果的に機能しない場合には、当局による直接的な規制が適切な方法と なる可能性がある」とした上で、今までのところ、市場の規律と、銀行にリス ク分析を強化するよう求める当局の働き掛けが「効果を発揮しているとみられ る」と述べた。

同議長は「カウンターパーティー(取引相手)リスク管理の改善進展とそ の結果としての市場規律の強化が、ヘッジファンドによるレバレッジを制限し、 銀行やブローカー、ディーラーによるリスク監視能力向上につながっているよ うだ」との認識を示した。

LTCMの一件は当局がヘッジファンドをめぐるそれまでの姿勢を見直す きっかけとなったとして、当時は「市場の規律が崩れた」と述べた。FRBは 1998年に、14銀行によるLTCM救済で大きな役割を果たした。

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