アジア株は米国株を上回る上昇へ-インフラ整備や個人消費が追い風に

世慣れた投資家なら普通、目覚ましい上昇 を演じた後の株式やセクター、市場への投資を積み増すことはない。特にボラテ ィリティ(価格変動性)やリスクの高い市場であれば、あり得ない話なのだが、 JPモルガン・チェースのティム・ハリス氏の助言は違う。

主任投資ストラテジスト(ロンドン在勤)を務めるハリス氏は今月、日本を 除くアジア株の投資配分を世界のポートフォリオのベンチマークと比べ2倍に引 き上げるよう顧客に推奨した。これらの市場が過去2年間に大幅高を演じたにも かかわらずだ。

モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル(MSCI)の日 本を除くアジア太平洋指数は5月8日に過去最高値を更新。ドル建てベースで年 初以降19%上昇した。一方、米国株の指標のS&P500種株価指数は3.4%高。

ハリス氏は「アジアの成長には長期的な論拠があり、アジア投資には短期的 価値がある」と指摘、主要株式相場が今年8-10%上昇しているなかで「アジ アはリスクに対して余りあるリターンをもたらすことが可能だ」という。

同氏は長期的な論拠について、西洋から東洋への資産の移転、とりわけ米消 費者によるアジア製品の購入などを通じた資金移動が根底にあると述べ、製造業 や技術、機能も人件費の低いアジアに移動しつつあると分析。その結果、アジア 経済は拡大し、アジアの企業収益が伸び、アジア人の消費が増え、消費社会の始 まりとなるという。

JPモルガン・チェースによれば、1980年から2005年にかけて、韓国の 国民1人当たりの国内総生産(GDP)はインフレ調整ベースで310%増加。台 湾は263%、タイは198%、マレーシアは135%、それぞれ増加した。これに対 し、米国は66%、日本は64%、ドイツは49%の伸びにとどまった。ハリス氏 は、「アジアの所得はいずれ、先進国に追いつく。惨事がなければ、20年後の 話になるだろう」と指摘した。

日の出の勢いのアジアに投資するには、地域や国別の指数に連動する上場株 式投信(ETF)を活用することができる。株式を選別したい投資家なら、道路 や橋りょう、通信、公益事業など、拡大するインフラ投資関連事業や個人消費に 関連したセクターに注目するだろう。

メリルリンチの新興市場株式ストラテジスト責任者(ニューヨーク在勤)、 マイケル・ハートネット氏によれば、中国とインド、インドネシアの3カ国は今 後3年で合計6140億ドル(約67兆円)をインフラプロジェクトに投資する見 込みだという。