米国株:金融株主導で上昇、原油・商品安を好感-エクソンは軟調(2)

米国株式相場は上昇。原油や金属相場が急 落し、インフレ加速で米利上げが継続するとの観測が後退した。金利動向に敏感 な金融株が上げを主導した。

また、医療機器のジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)や清涼飲料の コカ・コーラなど、年初からの出遅れが銘柄が高くなり、ダウ工業株30種平均 を押し上げた。

ドイツ銀行プライベート・ウェルス・マネジメントのマネジングディレクタ ー、オーウェン・フィッツパトリック氏(ニューヨーク在勤)は、「年を通じて みると、見通しはかなり良好だ。広範囲にわたる業種で、企業は商品価格高騰へ の対応を余儀なくされてきた」と話した。

S&P500種株価指数は前週末比3.26ポイント(0.3%)高の1294.50。ダ ウ平均は同47.78ドル(0.4%)上昇し、11428.77ドル。一方、ナスダック総合 指数は同5.26ポイント(0.2%)下げて2238.52。ナスダックは5営業日連続安。

石油のエクソンモービルやアルミのアルコアが軟調。原油相場がバレル70 ドルを割り込んだほか、金属相場の急落で、金相場が1993年以来で最大の値下 がりとなったことが嫌気された。

銅、金相場が急落

15日の商品市場で、銅は3%安のポンド当たり3.7465ドル。金価格は

4.9%下げ、オンス当たり679.10ドル。値下がり率は1993年以来で最大だった。 金相場を26年ぶり高水準に押し上げてきた投機的な動きは行き過ぎとの懸念が 広がった。

バークレイズ・グローバル・インベスターズのポートフォリオ・マネジャー、 ラス・コーステリック氏(サンフランシスコ在勤)は、「経済的な観点から、特 にこれと言って心配すべきことではない。ここ数カ月のエネルギーや商品相場の 上げは、投資家の景況感というよりも、投機的な動きが反映されていた」と話し た。

米国株は先週に下げ、S&P指数は昨年10月以降で最大の値下がりとなっ た。10日の連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げが決まり、声明で利上げ は終局に近いとの観測が後退したことが相場を押し下げた。

金融株で構成する指数は0.6%上昇。シティグループが堅調。また、不動産 株で構成する指数も1.7%高。倉庫に特化した不動産投資信託(REIT)のプ ロロジスが高い。

ライアン・ベック(ニュージャージー州フローアムパーク)の資本市場部門 共同責任者、ジェイ・サスキンド氏は、「願わくば、インフレが落ち着き始めた か、あるいは商品相場がピークを付けた。米金融当局が追加利上げを踏みとどま るきっかけになるかもしれない」と話した。

午前8時半に発表されたニューヨーク連銀が15日に発表した5月の同州の 製造業景況指数は12.4と、前月の15.8を下回った。これは2005年6月以来の 低水準。同指数の昨年の平均は15.6だった。エコノミスト調査では、16.1(予 想中央値)への上昇が見込まれていた。

ヘルスケア

ヘルスケア株は1.4%上昇し、S&P500種を構成する業種別10指数のなか で値上がり率トップ。同指数は年初来3%値下がりし、他業種を下回るパフォー マンスだった。また、家庭用品や日常必需品メーカーで構成する指数は15日に

1.2%上昇し、ヘルスケア株に次ぐ値上がりとなった。

これらへルスケアや家庭用品メーカーは、業績が景気動向に左右されにくい との見方から買い進まれた。

J&Jは上昇し、ダウ平均を構成する銘柄のなかで値上がり率トップ。同社 のライバルであるボストン・サイエンティフィックは15日、旧ガイダント製の 埋め込み型心臓除細動器について、新たに996個にバッテリーの不具合があると 医師に警告した。ボストン・サイエンティフィックは4月にガイダントの買収を 完了した。

ニューヨーク証券取引所(NYSE)の出来高は概算18億7000万株と、過 去3カ月平均を15%上回った。騰落比率は3対4。

原油相場が70ドル割れ

15日の原油相場は下落。6月限は前週末比3.7%安のバレル当たり69.41ド ルで取引終了した。世界的な金利上昇で、景気の伸びが鈍化し燃料消費が抑制さ れるとの懸念が台頭した。

エクソンが下げたほか、コノコフィリップスが下落。アルミのアルコアも軟 調となり、ダウ平均を構成する銘柄のなかで値下がり率トップ。銅生産のフェル プス・ドッジや産金のニューモント・マイニングも売られた。

ギリアド、ボシュロム

エイズ治療薬を手掛けるギリアド・サイエンシズは急伸。バンク・オブ・ア メリカのアナリスト、デービッド・ウィツケ氏は、ギリアドの投資判断を「中 立」から「買い」に引き上げた。エイズ治療薬の売り上げが予想を上回る可能性 があると指摘した。同アナリストは、ギリアドの2006年の1株当たり利益予想 を6セント引き上げた。

また、コンタクトレンズと眼科用医療用品を手掛けるボシュロムも大幅高。 米食品医薬品局(FDA)は、コンタクトレンズ使用者の真菌性感染について、 ボシュロムの製造工場での問題との関連性は見当たらないとの判断を示した。ボ シュロムは15日、真菌性感染の報告を受けて先月出荷を停止したコンタクトレ ンズケア用品「レニュー・モイスチャーロック」について、世界市場での全面的 な販売終了を発表した。即日実施するという。

ディスカウントストアのターゲットは下落。第1四半期(2-4月)の粗利 益率が32.18%と、前年同期の32.36%に比べて縮小したことが嫌気された。販 売管理費が売上高に占める比率は23%と、前年同期の22.3%を上回った。