米国株:ダウ平均、買収案件で上昇-S&P500種は原油安で下落

米国株式市場のダウ工業株30種平均は終 値ベースで過去2番目の高値に上昇した。半導体最大手のインテルが、メモリ ーチップ部門のスピンオフ(分離)もしくは売却の可能性を示唆したことや、 総額500億ドル超の複数の買収案件が発表されたことが強材料となった。

連邦公開市場委員会(FOMC)が10日の利上げ後も利上げを休止しな い可能性があるとの懸念が強まったことから、相場の上値は限られた。S&P 500種株価指数は、原油相場の下落でエネルギー関連株の下げにつながり、下 落した。

ヤクトマン・アセット・マネジメントで11億ドルの運用に携わるドナル ド・ヤクトマン氏は、「利上げと株価上昇が同時にみられた1987年がやや思 い起こされる。この2つがそろって上昇するというのは通常はないことだ」と 指摘した。

米金融持ち株会社ゴールデン・ウエスト・ファイナンシャルが上昇。米銀 4位のワコビアは7日、ゴールデン・ウエスト・ファイナンシャルを現金と株 式交換を通じて買収することで合意したと発表した。医療関連機器製造のフィ ッシャー・サイエンティフィック・インターナショナルも高い。同業世界最大 手の米サーモ・エレクトロンが8日、フィッシャー・サイエンティフィックを 106億ドル(約1兆1800億円)規模の株式交換を通じ買収することで合意した と発表したことが好感された。

S&P500種株価指数終値は前週末比1.10ポイント(0.1%)安の

1324.66。ダウ工業株30種平均は同6.80ドル(0.1%)上昇し、11584.54ドル。 2000年1月に付けた過去最高値に140ドルと迫った。ナスダック総合指数は同

2.42ポイント(0.1%)上げて2344.99。

パソコンメーカー最大手のデルが翌日のナスダック市場の上値を抑える可 能性がある。同社は8日の通常取引終了後、第1四半期(2-4月)の利益見 通し下方修正を発表した。また、売上高は先に示したレンジの下限となるとの 見通 しを示した。

あと何回の利上げになるのか

ダウ工業株平均は先週、4月の雇用統計で雇用増加幅がエコノミスト予想 を下回ったことが好材料視され、終値ベースで過去3番目の高値で引けた。こ の雇用統計では、FOMCが利上げを継続するとの懸念が緩和した。

プライマリーディーラー22社全社のエコノミストが10日のFOMCでは 5%への利上げを予想している。またこのうち17社は今回が、少なくとも8 月までで最後の利上げになるとみている。10日の次ぎのFOMCは6月29日。

ビクトリー・ニューブリッジ(ニューヨーク)のエリック・マロナック最 高投資責任者(CIO)は、あと1回の利上げは「織り込み済みだ」とし、 「もちろん、問題なのはあと何回か、ということだ。10日後にもう1回あると いう可能性もある」述べた。

先行き良好

キャピタル・マネジメント・アソシエーション(ニューヨーク)で8億ド ルの資産運用を手がけるジョゼフ・ゾック氏は、「企業による投資が見られる。 将来が良好だとみなさない場合には企業は買収に動かない」との見方を示した。

アルミニウムメーカー最大手の米アルコアは前週末比2.9%高。アルミニ ウム相場の上昇を受けて、同社はBHPビリトンやリオ・ティント・グループ といった鉱山企業からの買収提案が集まる可能性があるとの豪紙「ザ・エイ ジ」の報道が好感された。アルコアの広報担当者はコメントを避けた。

石油株下落

原油相場はバレル当たり70ドルを下回った。イランのアフマディネジャ ド大統領が、ブッシュ米大統領宛に書簡を送り、両国間の緊張緩和に向けた新 たな方策を提案することが明らかになったことが原油相場下落の材料となった。 原油先物6月限は前週末比42セント安のバレル当たり69.77ドルと、終値ベ ースで4月13日以来の安値を付けた。

天然ガス・石油生産のEOGリソーシズをはじめとするエネルギー関連株 が安い。石油精製のバレロ・エナジーや石油最大手のエクソンモービルも下落 した。

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