米国株(5日):上昇、雇用減速で利上げ休止観測-ダウ最高値に接近

米国株式相場は上昇。ダウ工業株30種平均 は終値としては過去3位の高値。米労働省が発表した4月の雇用統計で雇用者数 の増加が事前予想を下回ったことから、インフレ懸念が和らいだ。

週間ベースでのダウ平均の上昇は11月以来の最長となり、この日は2000年 1月に記録した過去最高値まで150ポイント以内に迫った。航空機大手のボーイ ングやジェットエンジンやヘリコプターを製造するユナイテッド・テクノロジー ズ、建設機械大手のキャタピラーが上げを主導した。

住宅ローン大手のカントリーワイド・ファイナンシャルといった借り入れコ ストの変動に敏感な企業の株価も上昇した。4月の雇用統計を受けて、5月10 日以降の連邦公開市場委員会(FOMC)の会合では、利上げが休止される可能 性がある。

カラモス・アセット・マネジメント(イリノイ州ネイパービル)で476億ド ルの資産運用に携わるニック・カラモス氏は、「連邦準備制度の任務は終わった。 株式市場にとっては良い知らせだ」とコメントした。

ダウ工業株30種平均は前日比138.88ドル(1.2%)高の11577.74ドル、S &P500種株価指数終値は前日比13.51ポイント(1%)高の1325.76。ナスダッ ク総合指数は同18.67ポイント(0.8%)上げて2342.57で取引を終えた。

週間ベースでのダウ平均は1.9%高と5週連続で上昇した。S&P500種は

1.2%高、ナスダックも0.9%上昇した。

雇用統計

4月の雇用統計によると、非農業部門の雇用者数(事業所調査、季節調整済 み)は、前月比13万8000人増加したが、増加幅はブルームバーグ・ニュースが まとめたエコノミスト予想中央値の20万人を下回った。家計調査による4月の 失業率は4.7%と、事前予想と一致。3月の雇用者数は20万人増と、速報の21 万1000人増から下方修正された。

ブルームバーグがエコノミストを対象にまとめた調査によると、5月10日 に開かれる連邦公開市場委員会(FOMC)の会合ではフェデラルファンド(F F)金利誘導目標が5%に引き上げられるとの見方が織り込まれている。

金利先物

金利先物市場関係者の間では、FOMCが6月29日の会合でさらに政策金 利を引き上げるとの観測が後退。金利先物動向によると、FF金利が5.25%に引 き上げられる確率は36%と前日の48%から低下した。

雇用統計の発表を受けて、米国10年債利回りは下落。前日比5ベーシスポ イント(bp、1bp=0.01%)下げて5.10%となった。

債券利回りが下げると、配当性の高い公益事業株への投資は魅力を増す。S &P500種採用企業のうち、公益事業の配当利回りは3.5%と、S&P500種企業 全体の平均配当利回り1.8%を大きく上回る。

ニューヨーク証券取引所(NYSE)の騰落比率は10対3。出来高概算は 16億9000万株。3カ月平均を4.1%上回った。

発電所運営大手のTXUは上昇。今週に入り、株価は17%上昇した。

天然ガス・パイプラインを運営するエル・パソも高い。1-3月期純利益は 3億5600万ドルと、前年同期の1億600万ドルから3倍以上に増加した。売上 高は41%増の15億3000万ドルだった。

ワーナーミュージック、メドコ

音楽産業4位の米ワーナー・ミュージック・グループが高い。1-3月では、 純損益ベースで赤字に転落したものの、損失額はアナリスト予想を下回った。ま たカントリーシンガー、ティム・マックグローなどのアルバムの好調が寄与し、 売上高は前年同期比で3.8%増加した。

処方薬給付管理大手のメドコも上昇。1-3月期の1株当たり利益(特別項 目除く)は56セントと、トムソンのアナリスト予想平均(55セント)を上回 ったことが好感された。

調査会社トムソン・ファイナンシャルのデータによると、これまで第1四半 期決算を発表したS&P500種採用企業(429社)のうち、約67%がアナリスト 予想を上回った。1992年以来の平均値は57%。

保険ブローカー大手、エーオンは下落。1-3月期の利益がアナリスト予想 を下回ったことが嫌気された。ブローカー業務のコスト高が響いた。