ユーロ高でECB金利据え置き可能、原油高下-UBS、バークレイズ

ユーロの対ドル相場は1日、ほぼ1年ぶり 高値に達した。これを背景に、欧州中央銀行(ECB)に追加利上げを遅らせ る余裕が出来ているようだ。

スイスの銀行UBSや英バークレイズ・キャピタルのエコノミストらによ れば、原油高や景気加速が物価上昇圧力を強めるなか、ECBは4日に開催す る定例政策委員会で利上げを先送りできることになりそうだ。貿易加重ベース で年初来3%以上上昇したユーロ相場が輸入物価を抑え、輸出競争力に影響を 与えることから、インフレと経済成長双方を抑えるからだ。

バークレイズ・キャピタルによれば、ユーロ高は既に、ECBの政策金利 を0.25ポイント引き上げたのと同様の効果がある。また、UBSの欧州主任エ コノミスト、ステファン・デオ氏(ロンドン在勤)は、ユーロ上昇は「利上げ を待つ理由になる。景気回復も依然として初期の段階だ」と語った。

ECBのトリシェ総裁は4月の定例政策委員会後の記者会見で、市場に広 がっていた5月利上げ見通しが誤っているとの趣旨の発言を行ったが、その後 に発表された指標は同総裁がそうした発言をするべきだったのか、疑問を投げ 掛ける内容となった。ユーロ圏の4月の景況感指数は5年ぶり高水準となり、 3月の通貨供給量の伸びは2003年以来のペースに加速した。

ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト42人調査によれば、E CBは今週、政策金利を2.5%で据え置くと全員が予想している。ただ、26人 に実施した別の調査では、中央値で、同政策金利が年末までに3%へ引き上げ られると予測されている。金利先物相場動向によれば、市場参加者は6月利上 げと、年末までに同金利が3.25%に達すると予想していることがうかがえる。

ユーロの対ドル相場は1日、一時、1ユーロ=1.2690ドルまで上昇した。 仏ソシエテ・ジェネラルの通貨ストラテジスト、ニールズ・クリステンセン氏 (パリ在勤)は先週、同相場が同1.30ドルに上昇した場合、ECBが6月に市 場予想に反して政策金利を据え置く可能性もあると指摘している。

バークレイズ・キャピタルのエコノミスト、ジュリアン・キャロー氏(ロ ンドン在勤)は、ユーロ高が続けば「ECBの政策金利が3%を上回る水準に 動く余地はなくなるだろう」と語った。