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新日鉄、住金、神戸鋼株まちまち、防衛策は直接的な投資要因にならず

前日に買収防衛策を発表した新日本製鉄、住 友金属工業、神戸製鋼の3社株価はまちまち。アナリストは、買収防衛策につい て、重要ではあるが、投資に際しての直接的な動機になりにくいと分析。買収が 困難になったこの3社については、業界再編期待に伴う株価の押し上げ効果が後 退するとの見方も出ている。

午前終値は新日本製鉄が前日比1円(0.2%)高の457円、住友金属工業は 同変わらずの507円、神戸製鋼は同1円(0.2%)高の447円。またJFEホー ルディングスは同80円(1.7%)高の4710円。

株価押し上げ効果は期待薄-買収防衛策

みずほインベスターズ証券の鈴木博行アナリストは、この日の新日鉄など3 社株価が動意薄であることに関して「株主にとっては魅力的な経営を行うことが 本筋」であり、今回の防衛策の発表自体は、投資に際してあまり影響を及ぼさな いと指摘する。

メリルリンチ証券の榎本尚志アナリストも29日付リポートで、これまでの 3社間の提携を考慮すると、今回の発表内容に「大きなサプライズはない」と受 け止めている。

再編期待でJFEに注目-メリル証

榎本氏は、鉄鋼業界の再編観測に伴う影響について、「株価への影響はJF Eに集中する」とみる。JFEホールディングスはまだ買収防衛策を正式に導 入・発表しておらず、「鉄鋼業界の再編期待が高まれば、株価にはポジティブな 影響が予想される」という。これに対して、新日鉄、住金、神戸製鋼の3社は、 今回の発表によって「実質的に買収は困難」と分析しており、再編期待の後退に よる効果としては「3社の株価への影響はややネガティブ」と捉えている。

みずほインベスターズ証券の鈴木アナリストは、業界再編の機運が広がる状 況下においては「新日鉄を軸として事業拡大のチャンスがある」とみている。 ただ新日鉄の株価に関しては、今後3年間の同社収益が高原状態を見込むなかで、 業績連動型の配当基準を設定しているため、現状では増配継続の可能性が後退。 このため利益成長が見込めない場合には「株主還元策として、自社株買いの取り 扱いが注目される」としている。

3社の買収防衛策

新日鉄と住金、神戸鋼の3社は29日、3社のいずれかの企業に買収提案があ った場合に、3社が一体となって防衛策を講じると発表。防衛策の具体的な内容 は明らかにしなかったが、今後も買収提案に備えた諸施策について継続して検討 する。

新日鉄の三村明夫社長(鉄鋼連盟会長)は29日の鉄連会見で、住金と神戸 鋼との3社提携はきわめて順調に進展しており、秘密情報の交換、コスト削減な どの協力によって「相手方が買収されると当社自身に大きな問題になる」と指摘。 こうした状況を受けて「提携をさらにステップアップさせるうえから、防衛策を 作った」と説明した。

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