新興市場株、7四半期続いた上昇は終了か-金利上昇などの「暗雲」で

2006年第1四半期(1-3月)のエマージ ングマーケット(新興市場)株は、7四半期連続の上昇となった。成長加速と 商品相場上昇で過去最高水準の資金が流入し、連続上昇は1980年代以来で最長 となっている。先進市場株との比較でも、7四半期連続でより高い上昇率を達 成した。

ただ、上昇はそろそろ息切れが予想される。新興市場株のPER(株価収 益率)は先進市場との比較において、1999年以来最高に達している。米国や欧 州での金利上昇が成長を抑えれば、新興市場企業の業績にも悪影響が出るだろ う。

シュローダーズ・インベストメント・マネジメント(ロンドン)で新興市 場株責任者として約80億ドルの運用に携わるアラン・コンウェイ氏は、新興市 場株は「割高な領域に入りつつある」とし、「警戒信号だ」と話した。

新興26市場で構成するモルガン・スタンレー・キャピタル・インターナシ ョナル(MSCI)の新興市場指数は年初から3月28日までで9.2%上昇。ロ シアの石油会社ルクオイルやシームレス鋼管製造のアルゼンチンのテナリスな どが上げを主導した。同指数の算出が開始された1988年以来、四半期ベースで 最長の続伸は1988-89年の8四半期。

上昇が始まった2004年第3四半期(7-9月)からの上昇率は78%に達し ている。好調な株価に資金流入も活発で、年初から3月22日までに221億ドル が流入(エマージング・ポートフォリオ・ファンド・リサーチ調べ)。過去最 高だった2005年全体の203億ドルを超えている。

すべての新興市場で株価が上昇したわけではない。国内投資家が中心の中 東市場では相場は下落し、中でもアラブ首長国連邦(UAE)のドバイの金融 市場指数は35%安と、ブルームバーグ・ニュースがモニターする世界の77指数 中最大の下げを演じた。

他の国・地域でも、株価上昇は1月が中心だった。MSCI新興市場指数 は1月に11%上昇したものの、2月と3月はそれぞれ0.2%と1.4%の下落とな っている。特に3月の第2週は4.1%安と、週間ベースで1年2カ月ぶりの大幅 下落を演じた。新興市場株下落の背景には、米利上げ継続観測がある。米金融 当局は28日、政策金利を4.75%に引き上げた。

ベイリー・ギフォード(エディンバラ)で新興市場株運用に携わるジェラ ルド・スミス氏は「若干の逆風に直面している」として、「順調な旅路は予想 していない」と話した。

地域別ではアジアの上昇率が最小で7%。韓国株と台湾株が、中国株やイ ンド株の足を引っ張った形だ。中南米はベネズエラやブラジルの好調で11%上 昇。MSCIの新興欧州・中東・アフリカ指数はロシアをけん引役に12%上昇 となった。ロシア株の指標のRTS指数は26%上昇と、10大新興市場中で最大 の上げだった。

足元は好調なものの、メリルリンチの月次投資家調査によると、新興市場 株への投資意欲は約2年ぶりの水準まで低下している。スイスのUBSによる と、PERでみると新興市場株の先進市場株に比べた割安度合いは20%と、約 7年で最低。UBSのロンドン在勤の株式ストラテジスト、ダレン・リード氏 は、新興市場株の「割安感は薄れ、資金コストは世界的に上昇している」と、 「真っ青な空に幾つかの暗雲が姿を現している」と語った。

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