紀文フード社長、医薬品用ヒアルロン酸の生産倍増-投資5-6億円

豆乳飲料や医薬品などの化成品製造を手掛 ける紀文フードケミファは、5月までに5億-6億円を投じて、鴨川工場(千 葉県鴨川市)の医薬品用ヒアルロン酸の生産能力を倍増する。ヒアルロン酸は、 保水性や潤滑作用の高い成分として関節炎などの治療に用いられるほか、化粧 品や食品などへの用途も広がっているため、来期中(2007年3月期)に同工場 の生産設備をさらに増強する可能性もある。同社の重山俊彦社長が28日放映さ れたブルームバーグ・ニュースのテレビインタビューで語った。

重山社長はこのなかで、「来期の早い時期、4月か5月までに鴨川工場の 医薬の設備を倍増させる。5億-6億円で拡張を考えている」と述べ、同工場 にあるヒアルロン酸の医薬品製造設備を改良し、生産能力を現在の年間200キ ログラムから400キログラムにまで拡大する計画を明らかにした。

ヒアルロン酸市場の拡大

ヒアルロン酸は、人間の皮膚の真皮や関節などに多く含まれる成分で、水 分を保持したり、潤滑作用がある。ただ、加齢とともに減少する成分でもあり、 最近では化粧水や美容液といった化粧品のほか、リウマチや関節炎の治療など 医薬用としても注目され、幅広い分野でその用途が広がっている。ヒアルロン 酸は、ニワトリの鶏冠から抽出できるが、鳥インフルエンザの発生もあり、紀 文フードをはじめメーカーでは、バイオ技術による製造が盛んになっているの が現状だ。

ヒアルロン酸の市場は年々拡大、2004年度の医薬品用の日本市場は約600 キログラムだったが、05年度には800キログラムにまで拡大の見込み。さらに、 04年度に1万6000キログラムだった化粧品用の世界市場は05年度には1万 8000キログラムに伸びると予想される。また、食品への用途は現時点で日本だ けだか、紀文フードでは、米国などでも最近関心が高く市場が伸びる可能性が あるとみている。

07年3月期末にさらに増強も

重山社長によると、同工場のヒアルロン酸の生産能力は年間約8トン。だ が、「今の生産能力ではかなり限界」であるため、今年3月末までに2トンの ヒアルロン酸培養機を2つ増設して6機体制とし、「現行と比べて1.5倍の12 トンのヒアルロン酸を供給できる体制をつくる」(同社長)計画だ。

しかし、医薬品や化粧品メーカーからの引き合いが多いため、「今進めて いる商談次第では、来期末ごろには足りなくなる可能性もある」と予想。重山 社長は、「08年3月期の設備投資計画を前倒しで07年3月期末に行う可能性も ある」と、培養機をさらに増やす考えを示唆した。

同社はすでに、昨年9月に約11億円を投じて「最大で現行と比べて約3倍 の25トンにまで拡張できる建物を確保」(重山社長)しており、受注拡大に応 じて「すぐに増産できる体制にある」という。

ヒアルロン酸けん引で化成品成長

同社の主力事業は引き続き豆乳飲料で、現時点ではヒアルロン酸を含む化 成品事業の規模は小さい。2005年3月期の化成品の売上高は約25億円と総売上 高240億円の1割程度にとどまる。営業利益は43億円のうち、わずか1億7000 万円だ。

それでも、コスモ証券の馬目俊一郎アナリストは「豆乳は踊り場に来てい る。これから化成品が伸びるだろう」と予想。市場の拡大とともに、ヒアルロ ン酸が収益の柱に育ってくるとの見方を示した。さらに「ヒアルロン酸は、化 粧品では価格競争で厳しいが、利益率の高い医薬品でしっかり伸びれば利益が 出てくる」との見方を示した。

紀文フードは、07年3月期の化成品事業の業績予想で、売上高29億5000 万円、営業利益4億2500万円を計画している。

紀文フードケミファの27日の株価終値は前週末比60円(2.4%)高の2550 円。

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