金持ちは世界経済の救世主-米シティグループのカプール氏

米国の貯蓄率の低さと過去最高の経常赤字、 家計部門の負債の大きさが個人消費に打撃を与え、金利上昇につながると懸念 する人々に、米シティグループの世界株式調査責任者、アジェー・カプール氏 はこうアドバイスする――「安心しなさい」。

同氏は、エコノミストらが世界の不均衡と呼ぶ世界経済の問題の多くは、 米国や英国、カナダ、オーストラリアの富の大きな部分を占有している富裕層 の行動によって説明できると指摘する。

同氏によれば、金持ちは世界の経済を救っている。金持ちが消費を続けて 輸入品を購入し続ける限り、誰も傷つくことはない。同氏は「多くの投資家が 懸念する世界の不均衡は、考えられているほどの脅威ではない」として、「世 界の金持ちが近いうちに貧乏になることはない。彼らの財政状態は堅調だ」と 説明した。

同氏の説は、世界経済の安定をめぐる懸念を緩和させるばかりでなく、投 資で収益を上げるヒントにもなる。同氏によると、「カルティエ」の宝飾品の メーカー、スイスのフィナンシエール・リシュモンや高級住宅建設の米トール・ ブラザーズなど、金持ちの需要を満たす企業への投資が、収益につながる。

シティのストラテジストらは、先進国・地域を2つに分類する。1つは米、 英、カナダを中心とした金持ち主導の経済。もう一方は日本や欧州などの平等 主義の経済だ。同氏は前者を「プルトノミー」と呼ぶ。ギリシャ語で富を意味 する「プルートス」と「エコノミー」からの造語だ。

同氏によると、プルトノミーの代表格の米国では、富裕層の資産が年間所 得の8.4倍と、2001年の7.4倍や1995年の6倍に比べ拡大している。カプール 氏は5日付のリポートで、「このような富の増大が、金持ちが消費を続ける理 由だ」と書いている。原油高もドル下落も金持ちの消費行動に影響を及ぼすこ とはなく、金持ち米経済の多くの部分を担っている米国の消費が落ち込むこと もないという。

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