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ソフバンク株価が続伸、ボーダフォン日本法人の買収を市場が好感(3)

ソフトバンクの株価が続伸し一時は前営業日比 で4%を超えた。同社が英ボーダフォンと、1兆7500億円でボーダフォン日本法人 を買収することに正式合意したことが材料視され買いが膨らんでいるようだ。米格付 け機関のムーディーズが17日、買収成立の発表を受けて同社格付けを引き上げ方向 で見直しに入ったことも支援材料となっているようだ。

ソフトバンクの株価は午前10時50分現在、前週末比30円(1.0%)高の3170 円で取引されている。この日は買い気配で始まり、午前9時10分過ぎに同130円 (4.1%)高の3270円で取引が成立した。その後、株価は一時同4.5%高の3280円 まで買われる場面もあった。出来高は1290万株で東証1部銘柄第6位、売買代金は 417億円と東証1部でトップ。

日興コーディアル証券エクイティ部の西広市部長は「朝方の買いは日本法人買収 合意を市場が好感したもの」と指摘する。その理由として西氏は、1)ムーディーズ の格上げ検討発表、2)報道が先行した買収交渉が比較的早期に決着したこと、3) 財務悪化を事前に懸念して株価がテクニカル的に割安な水準にあったこと、4)売り が増え買いが減り、取り組みの状態が好転している-の4点を挙げた。

ヤフーの株価は前週末比1000円(0.7%)安の14万6000円で取引されている。 同社は17日、1200億円をソフトバンクが設立する新会社に出資し、携帯電話事業で ソフトバンクと連携して取り組むと発表している。ただ株価については、前週末の終 値を挟んで軟調な展開となっている。

日の出証券の古野政明投資情報室室長は、ソフトバンクは「買収に伴う財務体質 の悪化については既に以前から報道されており織り込み済みだ。現状の株価は割安と の見方が大勢を占め買いが膨らんでいる。また、ヤフーなど連携して出資を得る形と とったことで、リスクの分散も図ったといえる。一方、ヤフーにとっては、今回の提 携と出資のメリットは現時点でははっきりせず、きょうの株価にもその見方が反映し ているようだ」との見方を示した。

三菱UFJ証券の佐分博信シニアアナリストは20日付のレポートで「有利子負 債分も含め買収金額総額は約2兆円として、事前報道の上限」と指摘する。また、 「ソフトバンクの買収金額とボーダフォン日本法人の純資産7350億円との差額約1 兆円が暖簾に相当するとして、20年で均等償却すると仮定した場合、毎年約500億 円の暖簾償却が発生し来期以降営業利益が毎年500億円少なくなる」としている。

さらに同レポートは、ソフトバンクは約1500万人のユーザ基盤を事業スタート 時点で得たことに対して「時間を買ったものの、一方で現在約6000円のARPUが 5000円に低下するだけで約1800億円の減収減益要因になるとして、低価格路線を打 ち出しにくくなった」と指摘する。

ソフトバンクはボーダフォン日本法人の株式約98%を1兆7500億円で取得する ことで最終合意した。これにより、今後は固定電話と携帯電話のサービスを複合的に 展開し先行するNTTグループとKDDIを追撃する態勢を整えた。

米格付け会社のムーディーズ・インベスターズ・サービスは17日、ソフトバン クの買収発表を受けて、ソフトバンクの無担保長期債務格付け・発行体格付け「Ba 3」を引き上げ方向で見直すと発表した。ムーディーズは、今回の買収により、ソフ トバンクが一段と競争力ある総合通信事業者となり、同社の通信事業全体にプラスに 作用するとの見方を示した。一方で、買収は追加的な財務負担となる可能性があると も指摘しているが、それによってソフトバンク・グループの財務レバレッジが大きく 変化することはないとしている。

この日の日経平均株価は前週末比192円(1.2%)高の1万6532円9銭で推移し ている。日経平均への寄与度首位はソフトバンク。「相場に影響力のあるソフトバン クの株価上昇が相場全体へもプラスにつながっている」(西氏)との見方を示した。

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