ソフトバンク:ボーダフォン日本買収、1兆8000億円-M&A最大(6)

ブロードバンド通信国内2位のソフトバン クは 17日、携帯電話世界最大手の英ボーダフォンの日本法人を買収すると発表 した。日本企業のM&A(合併・買収)で過去最大となる約1兆8000億円を投 じて株式のほぼすべてを買い取る。ソフトバンクは携帯電話を取り込み総合通 信会社としてNTTやKDDIに対抗、世界規模で競争にさらされているボー ダフォンは日本から撤退する。

ソフトバンクは英ボーダフォン保有の日本法人全株式98%を取得する。売 買は1-2カ月後を予定している。買収額は89億ポンドで、為替換算などの関 係で日本語資料では1兆7500億円と記載されている。必要な資金としてソフト バンクはまず、LBO(買収先の資産を担保に金融機関から資金を調達する手 法)で1兆1000億-1兆2000億円を調達する。

また、買収に使う全額出資子会社を設立、普通株で2000億円を出資する。 ヤフーもこの会社に優先株で1200億円を出資する。さらに英ボーダフォンが優 先株式新株予約権で3000億円、劣後債で1000億円を投資する。ソフトバンク は財務アドバイザー(FA)としてドイツ証券、ゴールドマン・サックス証券、 みずほ証券などを起用した。

英ボーダフォン、日本撤退

ボーダフォン日本は携帯電話で国内3位。契約者数は1500万人強、シェア は17%。NTTドコモ(シェア56%)やKDDI(同28%)に大きく引き離さ れている。英ボーダフォンはのれん代処理として最大280億ポンド(約5兆6700 億円)を計上すると2月に発表した。日本の携帯電話市場が頭打ちになるなか で、日本法人の株式を売却して日本から撤退する。同時に買収資金を一部供給 する形でソフトバンクとの関係をつなぐ。この一環として合弁会社を設立、事 業協力する。

UFJパートナーズ投信エクイティ運用部の内田浩二ファンドマネジャー は、「ソフトバンクにとっては、ゼロから展開するより事業が早く立ち上がる 点ではいいが、これまで上手くいっていなかったものを、傘下の他の事業との 連携などを通じて好転できるかどうかは未知数」と指摘した。同時にソフトバ ンク参入による価格競争で、NTTドコモやKDDIにとってネガティブとの 見方を示した。

通信市場、3社体制に

日本の固定、携帯電話市場は、ガリバーのNTTグループ、KDDIとソ フトバンクの3社体制に収れんする。ソフトバンクは2004年7月末に日本テレ コムを総額3400億円で米投資会社リップルウッド・ホールディングスから買収、 固定通信部門を手に入れていた。

携帯電話については新規参入者として事業に必要な電波(周波数)を確保 していた。新規事業として展開するには、多額の設備投資と時間がかかること から、ボーダフォン買収に踏み切った。携帯電話市場は、ナンバーポータビリ ティ(事業者を変えても電話番号が変らない制度)の秋口導入や、イー・アク セスといった新規事業者の参入により、数少ない新規顧客や既存顧客の奪い合 いが始まることになる。

この買収に伴いソフトバンクの孫正義社長、ヤフーの井上雅博社長、ボー ダフォンのビル・モロー社長が都内で共同会見した。会見には英ボーダフォン のアルン・サリン最高経営責任者(CEO)もビデオを通じて参加した。

孫社長はボーダフォンを取り込むことで、連結売上高2兆5000億円、2600 万回線を提供する総合通信事業者になると強調した。また、ヤフーの持つコン テンツ(情報の内容)を携帯電話に配信するといった計画も示した。ボーダフォ ンのブランドは切り替える方針も明らかにした。今期(2006年3月期)の業績 への影響は軽微としている。

ソフトバンク株の終値は、前日比120円(4.0%)高の3140円。

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