米サーベラス、1.8兆円でボーダフォン日本法人買収計画-関係者(6)

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米投資会社サーベラス・パートナーズと、 通信関連企業の買収専門会社プロビデンス・エクイティ・パートナーズは、ボー ダフォン日本法人に対し1兆8000億円での買収を提案する可能性がある。2人 の関係者が匿名を条件に16日までに明らかにした。実現すれば、アジアで最大 のレバレッジド・バイアウト(LBO、買収先の資産を担保にした資金借り入れ による買収)となる公算が大きい。

携帯電話最大手の英ボーダフォンが日本法人の過半数株式をソフトバンクに 売却する方向で交渉していることが3日明らかになっている。

サーベラスの広報担当者リチャード・オーレッタ氏とプロビデンス・エクイ ティの広報担当者アンドルー・コール氏はコメントを控えた。

ソフトバンク広報室の東日出男氏は14日、英ボーダフォンとの交渉が続い ていることを明らかにした。ボーダフォンの広報担当者ボビー・リーチ氏はコメ ントできないとしている。

ボーダフォンの失策

英ボーダフォンのアルン・サリン最高経営責任者(CEO)が2003年7月 に就任して以来、同社時価総額は4%低下している。同CEOは、ボーダフォン 日本法人の採算性改善のため20億ドル以上を投入したものの、思うように好転 していないことから、日本法人の売却を計画している。ボーダフォンの株価は 15日のロンドン市場で、1.75ペンス(1.4%)安の127ペンスで取引を終えた。

ボーダフォン日本法人の報告書によると、同社は2005年度上半期の利益は 8億400万ポンド(約1649億円)だった。減価償却費調整後の営業利益は1億 9100万ポンド。

ボーダフォン日本法人は、インターネット接続や音楽のダウンロードなど、 いわゆる第3世代サービスへの顧客獲得合戦で同業のNTTドコモとKDDIと 競っている。2月末時点での顧客数はボーダフォンが1510万人、NTTドコモ が5070万人、KDDIが2500万人。

匿名の関係者によると、サーベラスとソフトバンクはそれぞれ、ボーダフォ ン日本法人の買収に当たり、約1兆2000億円を借り入れる計画で、これは日本 でこれまで実施されたレバレッジド・バイアウトの4倍の額。

チューリッヒ・ファイナンシャル・サービシズ(シドニー)で49億ドルの 資金運用に携わるジェームズ・ホルト氏は、「負債の利支払いを確実にするため にはしっかりしたキャッシュフローが不可欠だ」と述べた。

貸し手

ブルームバーグがまとめたデータによると、アジアの買収額は年初来、107 億ドル(約1兆2600億円)に上っている。サーベラスの買収が実現すれば、 2003年のリップルウッド・ホールディングス(現社名RHJインターナショナ ル)による総額2613億円のボーダフォン日本法人の固定回線部門買収を上回る ことになる。

同案件に詳しい関係者2人の話によると、ABNアムロ・ホールディング、 JPモルガン・チェース、モルガン・スタンレーがサーベラスとプロビデンス・ エクイティに対する融資を提供する銀行団に加わる可能性がある。また、ソフト バンク幹部は7日時点で、同社による買収提案では、ドイツ銀行、みずほフィナ ンシャルグループが融資団に加わると述べていた。

ボーダフォンへの助言業務はUBSが担当している。

ABNアムロ、ドイツ銀行(東京)、JPモルガン、モルガン・スタンレー、 UBS(東京)、みずほの各広報担当者からのコメントは得られていない。

サーベラスはここ8年間日本で、ソフトバンクからあおぞら銀行を買収 (2003年)したほか、ホテルや不動産に積極的に投資している。サーベラスは このほか、自動車メーカー最大手、米ゼネラル・モーターズ(GM)の金融部門 ゼネラル・モーターズ・アクセプタンス・コープ(GMAC)の過半数株式取得 にも乗り出している。

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