米ゴールドマン:中国工商銀のIPOで業務獲得を逃す-関係者

M&A(企業の合併・買収)助言でウォー ル街1位の米ゴールドマン・サックス・グループは、中国の銀行最大手、中国 工商銀行による100億ドル(約1兆1830億円)超規模の新規株式公開(IPO) で、業務を獲得できなかった。競合他社のバンカーらによると、ゴールドマン は同業3位の中国銀行のIPOで引き受けを務めるため、起用が見送られたと いう

工商銀行は9日、IPOの幹事を発表した。工商銀行IPOでの手数料は 約3億ドルに上る見通しだ。ゴールドマンは80億ドル規模の中国銀行のIPO の引受業者の1社となっている。ゴールドマンは工商銀行に37億8000万ドル を投資するグループの中心だったため、IPO幹事の最有力候補とみられてい た。

ニューヨークに拠点を置く中国市場分析会社、チャイナ・ストラテジック・ アドバイザリーのダニエル・ローゼン社長は「ゴールドマンは中国企業への出 資に非常に積極的だった」とした上で、工商銀行の案件を逃したのは「明らか に失敗だ」と話した。

工商銀行はIPOに向け、クレディ・スイス・グループとドイツ銀行、メ リルリンチを起用した。工商銀行は今年下期(7-12月)にIPOを計画して いる。

M&A助言で5年連続1位、年初来の株式引き受けでも1位のゴールドマ ンにとって、第1四半期(1-3月)に予定されていた中国銀行のIPOが遅 れたことが誤算だった。中国銀行のIPOは6月末までに実施されることにな り、工商銀行の案件と競合することになったと、アトランティス・インベスト メントで運用に携わるリウ・ヤン氏は指摘した。

関係者によると、中国建設銀行の92億ドル相当のIPOで引き受けを務め たモルガン・スタンレーは、ゴールドマンとともに工商銀行IPOの幹事候補 から除外されていた。関係者によればゴールドマンは後に候補に加えられたも のの、業務獲得には至らなかった。

工商銀行株購入を計画している大和SBインベストメンツ香港の投資責任 者アンブローズ・チャン氏は、「中国の政策担当者は利害相反があるとの印象 を投資家に与えたくなかったのだろう」として、「正しい判断だ」と述べた。

工商銀行のIPOは、中国で最後の100億ドル超のIPOとなる可能性が ある。中国政府は既に、通信や電力、輸送、保険などの大手企業の株式を公開 している。

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