OPEC生産枠維持でも原油価格は高止まりする―東京市場関係者

石油輸出国機構(OPEC)は定例総会で、 日量2800万バレル(イランを除く10カ国)の生産枠を維持することを決めた。 OPECの生産量は約20年ぶりの高水準。ただ、加盟国のナイジェリアの政情不 安に加え、イランの核開発問題が長期化の兆しを見せており、東京市場関係者は 原油相場が高値で推移するとの見方が強い。

石油連盟の渡文明会長(新日本石油会長)は9日、今回の決定ではOPEC 関係者が事前に減産を示唆していたこともあり、「市場は既に織り込み済みであ り、大きく影響することはない」とコメント。出光興産の天坊昭彦社長も「大方 の予想通り」との見方を示した。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI(ウエスト・テキサス・イ ンターミディエート)原油相場は、米国の石油在庫が潤沢なこともあり、2月の 半ばに一時は50ドル台後半に下落する場面もあった。ただ、ナイジェリアの政情 不安やサウジアラビアで発生したテロ未遂事件など地政学的リスクが高まってお り、原油相場(期近4月限)は60ドル近くで推移している。

60ドル台後半までの上昇も

今後の原油相場の見通しについて、渡会長は米国での石油在庫の積みあがり や不需要期である第2四半期に入ったことにより、需給緩和見込みが価格下落圧 力に働くものの、米国と中国を中心とした堅調な需要の伸びや原油生産・精製余 力が限定的である構造要因が影響すると分析した。

さらに、イランやイラクなど中東産油国の地政学的リスクを踏まえれば「原 油価格は引き続き高止まりすると考えられる」(渡会長)という。また、出光興 産の天坊社長は「イラン、イラク、サウジアラビア、ナイジェリア、パレスチナ の地政学的リスクなど、価格を上昇させる要因を考慮すれば、マーケットが近い 将来、大きく崩れることは考えにくい」としたうえで、「地政学的リスクの深刻 化などによっては、1バレル60ドル台後半を目指す展開も考えられる」と予想す る。

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