訂正:日本格付研の入村氏:タイの格付け見通しなどでコメント

日本格付研究所の入村隆秀シニアアナリスト は9日のインタビューで、首相一族の保有株の不正売却疑惑で揺れるタイの格 付け見通しなどについて以下のようにコメントした。

タイのタクシン首相辞任を求める運動の背景:

「つい1年前に圧倒的多数で再選された首相に対して非常に強い批判の圧 力が加わっている。この背景には、首相の一族、長男や長女の株取引を巡る不 正疑惑がある。これをきっかけにして、従来からバンコクの知識人層を中心に くすぶっていた首相への不満が一気に勢いを増したと考えられる」

「ただ、今回注目すべきは、バンコクの知識人階級を中心に政府、首相へ の批判が高まっている一方で、農村部の相対的に貧しい農民などを中心に首相 への支持は未だに高いということだ」

タイの現在の格付状況について:

「タイの格付は、現在の外貨建てがAマイナスで安定的としている。この 背景は、通貨危機を境にして対外収支が非常に改善されたということだ。すで にネット債務は完全に完済したので、いまは小幅な債権者ポジションにある。 対外的なショックがあっても外貨準備に困ることはないという状況だ」

銀行セクターの状況の改善:

「それ以外にも銀行セクターの状況がかなり改善している。通貨危機直後 は不良債権の比率が増えて状況が非常に不安定になったが、経済の回復ととも にかなり状況が改善してきた。これに伴って、追加的な政府のリスクが減って きたし、経済成長の足を引っ張るというリスクもかなり落ちてきた」

タイ政府の財政収支について:

「最後に財政収支だが、通貨危機直後は破綻した銀行への資本注入などで かなり政府債務が膨らみ、財政も悪化したが、経済回復が続く中で財政の収支 および債務の水準事態についても安定が見られる」

4月の総選挙について:

「4月2日に総選挙を行った後、憲法改正のための思案作りや国民投票を 実施して、憲法が改正された後にもう一度総選挙を行うとタクシン首相は述べ ている。これが実行されると政治スケジュールが過密で政治の季節になる。も う1つの不安定要因としては、野党勢力が4月2日の総選挙をボイコットする 姿勢を見せていることだ」

マーケットへの影響について:

「これまでのところ、これだけのイベントがあっても為替や株価も比較的 安定していると思われる。抗議行動やデモがあったとしても、暴力を伴ったも のでない」

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