原油やオレンジ果汁が株式を打ち負かす-個人投資家の商品投資が拡大

英国エディンバラに近いリンリスゴーに住む ファイナンシャル・アドバイザー、グレーム・カリー氏(47)は昨年、貯蓄の投 資先に変化を加えることにした。株式や債券の代わりに原油やアルミニウムなど の商品相場に連動する運用期間8カ月の投信に5万ポンド(約1030万円)を投 資した。

カリー氏は「何か少し変化が欲しかった。それに原油相場が驚くほどのペー スで上昇している事実は見逃せない」と話す。投資を開始した昨年7月以来、同 氏の資産は26%増加した。

カリー氏は、急拡大している投資区分である商品投信に投資する投資家の仲 間入りをしている。英バークレイズ・キャピタルによると、オレンジ果汁から金 までさまざまな商品をカバーする指数に連動するファンドの資金総額は昨年、 60%急増し、800億ドル(約9兆4000億円)に達した。

ベルギーのフォルティス、フランスのアクサ、スイスのクレディ・スイス・ グループなどは個人投資家をターゲットとした新規のファンドを立ち上げている。 フォルティスの「エル・ファンド・コモディティ・ワールド」の最低投資額はわ ずか100ドルとなっている。

カリー氏が投資したのは最長運用期間5年の投信「ドーネイ・デイ・カンタ ム・プロテクテッド・コモディティーズ・アクセレレーターIV」だ。英商品ファ ンド運用会社ドーネイ・デイ・カンタムは、最低7000ポンドから投資を受け付 けている。

「ドーネイ・デイ」の1月末までの半年間の運用成績は24%。一方、エネ ルギーや金属、農産物の先物24銘柄で構成するゴールドマン・サックス・コモ ディティ・インデックス(GSCI)の上昇率は12.7%だった。鉱業・資源関 連会社に投資するファンドの運用成績上位に位置する「VCHエキスパート・ナ チュラル・リソーシズ・ファンド」の運用成績は51%だった。

リターン(投資収益)

2000年以降の株式相場低迷により、多くの投資家の資金が減少した。欧州 の50社で構成するダウ・ジョーンズStoxx50は2000年から03年までに 63%下落。最近では、債券需要の拡大により、英国30年債のイールドが低下し、 1月18日には1954年以来の低水準である3.68%となった。

クレディ・スイス・アセット・マネジメント(フランクフルト)のフィリッ プ・ボーンドラン最高経営責任者(CEO)は「3、4年前には個人投資家は商 品にはあまり投資しなかった」と指摘。「今ではそれが変化している。商品に投 資する個人投資家は、今後ますます増加すると期待している」と述べた。

株式や債券のリターンの減少により、商品ファンドへの投資家の関心の高ま りに拍車が掛かっている。メリルリンチによると、GSCIは昨年、39%上昇し た。一方、S&P500種株価指数の上昇率は3%、米国債のリターンは2.8%だ った。

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