債券トレーディングに減速の兆候-ウォール街の好業績の主エンジン

過去5年にわたりウォール街の証券各社に 好業績をもたらしてきた債券トレーディングに、減速の兆しが見える。2006年 の各社の業績に、影を落とす可能性がある。

米債券市場協会(BMA)によると、米国の債券発行は今年、金利上昇の 影響などで05年に比べ13%減となる見込みだ。ブルームバーグ・データによる と、05年の1日当たり米国債取引高は前年比増加だったものの、増加率は04年 の半分だった。米国債市場の価格変動は1998年以来で最低の水準にあり、トレ ーディング収入で業界1位のゴールドマン・サックス・グループは05年、リス クテイクを抑えた。収益機会が縮小していることを示す兆候だ。

モルガン・スタンレーの債券トレーディング責任者、ニール・シア氏は、 証券大手5社にとって最大の収益源である債券・為替・商品トレーディングに とって「ほぼ完璧な環境が永久に続くと期待することはできない」と話す。同 氏はニューヨークでのインタビューで、「金利上昇と想定外の重大な信用危機」 をリスク要因に挙げた。

2年以内に14回の米利上げで、債券発行の魅力は後退している。BMAが 1月に発表した調査結果によると、米国債と連邦機関債を除いた今年の債券発 行額は3兆5600億ドル(約412兆円)と、2005年の4兆1000億ドルから減少 する見通しだ。住宅ローン担保証券(MBS)は20%減、地方債は13%減とな り、資産担保証券(ABS)は1999年以来で初めて減少すると見込まれる。住 宅担保融資(ホームエクイティ・ローン)関連の債券は17%の減少となる見通 しだ。社債は1.6%増、自動車ローン担保証券は8%増と予想されている。

データは債券トレーディングの減速を示唆しているものの、証券会社の業 績は今のところ05年並みを維持している可能性がある。メリルリンチ、ゴール ドマン、モルガン・スタンレー、リーマン・ブラザーズ・ホールディングス、 ベアー・スターンズの米大手5社の05年利益は、過去最高だった04年からさ らに19%増え205億ドルに達した。

サンフォード・C・バーンスティーンのブラッド・ヒンツ氏やキーフ・ブ リュイエット・アンド・ウッズのローレン・スミス氏らアナリストは、商品ト レーディングの好調や季節要因による債券市場の活況などを理由に、ゴールド マンなどの第1四半期利益予想を上方修正している。

市場減速の兆候にも、債券トレーディング収益拡大に向けたスイスのUB Sの積極姿勢は揺るがない。UBSのピーター・ウフリ最高経営責任者(CE O)は2月14日、債券トレーダー採用とリスクテイク拡大の方針を示した。

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