仏スエズとガス公社:対等合併へ、世界2位の電力・ガス会社誕生へ

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フランスの電力会社スエズは27日、仏 ガス公社(GDF)と対等合併すると発表した。新会社は年間売上高が640億 ユーロ(約8兆8100億円)に上り、電力とガス供給で世界2位となる。

スエズの発表資料によると、合併計画はフランスとベルギーの政府が承認 した。今年下期(7-12月)に合併完了を目指す。合併に伴う人員削減は実 施しない。

スエズとGDFは、合併により年間5億ユーロの経費節減を見込む。スエ ズは、合併前に株主に12億5000万ユーロを支払う。

「保護主義的センチメント」

欧州連合(EU)は、競争促進を目指して各国のエネルギー市場の自由化 を進めており、国境を越えたM&A(企業の合併・買収)や買収提案が相次い でいる。加盟国は一方で、こうした外国企業からの買収を阻止するため、自国 を代表する企業の強化に取り組んでいる。イタリアのエネルは2月21日、ス エズのエレクトラベル部門を事業拡大の好機として検討していることを発表。 ドイツの電力大手エーオンは同日、スペインのエンデサに現金291億ユーロの 買収案を提示している。

ブルトン仏財務相はラジオ放送RTLのインタビューで、仏政府が新会社 の株式を40%近く保有する見通しを明らかにした。

パトナム・インベストメントで60億ドルの資産運用に携わるヘンドリッ ク・バン・ブレフォールト氏(ロンドン)は両社の合併について、「スエズを 外国の手に渡したくない、あるいはさほど友好的ではない買い手によって分割 されるのは望ましくないとの保護主義的なセンチメントが背景にあるようだ」 と述べた。

天然ガス

またガス公社とスエズは1月26日、フランスで天然ガスを燃料とする火 力発電所2カ所を共同建設すると発表。天然ガス購入で世界4位のガス公社は 同月、ロシアへの天然ガス依存を軽減したい意向を明らかにしていた。世界最 大の天然ガス会社であるロシアのガスプロムは1月1日に、ウクライナへの供 給を削減している。仏ガス公社は長期的なガス調達契約の25%をガスプロム に頼っている。

パトナムのバン・ブレフォールト氏はガス公社とスエズについて、「欧州 以外の天然ガス供給源が予測不可能であるため、両社は供給不安を前に供給確 保をてこ入れしようとしている」と述べた。

午前のパリ株式市場でスエズ株は下落。一時は前週末比7%安の31.5ユ ーロまで売り込まれた。現地時間午前9時15分現在は31.6ユーロで推移し ている。一方のガス公社株は上昇し、同49セント(1.6%)高の30.29ユー ロ。