バーナンキ米FRB議長の初の議会証言:市場関係者のコメント(3)

ベン・バーナンキ新連邦準備制度理事会 (FRB)議長は15日、下院金融委員会で就任後初の証言を行い、米国経済 は持続可能な拡大基調にあるとの見解を示し、さらに、インフレ抑制のために 追加的な利上げが必要となる可能性があると述べた。市場関係者は以下のよう にコメントした。

◎米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)の投資責 任者ビル・グロス氏:

○議会証言について:

「議長はフラット(平たん)なイールドカーブは成長に影響を与えないと の見方を示唆した」

「これは驚きだ。私の考えでは少なくとも、フラットなイールドカーブは ある程度、または相当程度の金融引き締めを示唆し、これは成長に影響するか らだ」

「イールドカーブのフラット化は、過去1年半余りでの350ベーシスポ イント(bp、1bp=0.01%)利上げの結果でもある。これは景気抑制的 な姿勢であり、最終的には景気を減速させるだろう」

○PIMCOの投資戦略について:

「年限が短めの債券を買っている。3カ月や6カ月のものではなく、1- 2年のものだ。これらは2007年に米金融当局が利下げに転じた際に、恩恵を 受けると考えている。大量ではないが、一貫して購入している。この戦略が奏 功するかどうかを、向こう3-6カ月かけて辛抱強く見守るつもりだ」

◎米証券大手リーマン・ブラザーズのシニアエコノミスト、ドルー・マタス 氏:

米連邦準備制度の見解は「基本的に米経済が好調で、米国の成長見通しは 良好であり、インフレや余剰能力に関連して考えれば中期的にインフレが進行 するリスクがあるということだ。これは当局が利上げを継続していくという意 味だ」

「議長の予想と経済に関する論評を見れば、米国の消費は順調なことが分 かる。議長は住宅市場の消費者に対するリスクを控えめにみており、所得増加 や好調な消費が続き、設備投資は堅調だと述べた。一方で、景気減速も予想し た。景気減速の理由が、設備投資や個人消費の鈍化でないとしたら、彼の手に 委ねられている金利が唯一の理由だろう」

「行間には、利上げの意向が示唆されている。どこまで利上げするかは全 く別の問題だ。リーマンの予想は5%だが、現在の傾向は5%を超える水準に 向かっている」

◎米ベアー・スターンズのチーフエコノミスト、デービッド・マルパス氏:

○証言全体について:

「議員らは早めに財政の話題に転じた。議員らは税金や歳出について話し たいようだったが、バーナンキ議長は明らかに、その渦中に踏み入ることには 後ろ向きだ。一方、金融政策については多くの質問はなかった。金融政策が、 現時点ではかなり均衡がとれていることの表れだろう」

○利上げについて:

「バーナンキ議長の証言は、利上げ見通しを支えるものだった。さらに、 当局が引き続き、成長とインフレの状況に対して反応していく方針も示した」

○インフレ目標について:

「バーンナンキ議長はFRB理事時代に、インフレ目標について多く語っ ていた」

「議長はこの問題について、非常に穏やかな考えに落ち着き、連邦準備制 度の伝統を踏襲していくと思う」

「インフレ目標導入を積極的に押し進める考えのようには見受けられなか った」

○証言で新議長が信認を得たかどうかについて:

「新議長は非常に安定していた。そうだろうと考えていたが、実際にそれ を目にして安心した」

「この証言の様子を見れば、新議長について誰もが安心するだろう。ある 意味で、移行は完了した。劇的でない移行だったが、私に言わせればこれは良 いことだ」

○投資家の反応について:

「バーナンキ議長も金融当局も、証言の間、市場が落ち着いていることを 望み、市場を驚かせるような発言を避けようとしていた」

「バーナンキ議長は1回1回の証言に過度な注目が集まることを望んでい ない。当局は、景気に対する慎重で穏やかな対処法を確立しようとしている。 バーナンキ議長はそれを引き継いだと思う。この日の情報で債券市場が動かな かったのは、良いことだ」

◎PNCファイナンシャル・サービシズ・グループのチーフエコノミスト、スチ ュアート・ホフマン氏:

○証言に対する市場の反応について:

「市場が反応しなかったとは言えない」

「市場は証言内容に注意深く耳を傾けた」

「証言内容は、少なくとも、債券市場が予想していた内容とは異なってい なかった」

「議長は少なくとももう1回利上げをする考えに同調し、そうする方針で あることを明らかにした」

○米経済成長について:

「経済成長のペースが若干落ち着くとともに、良好なコアインフレ指標の 発表が続くことが必要だろう。われわれはそうなるかどうかを見極めることに なると思う」

「今四半期の経済成長は非常に力強くなる」

「1月は非常に活発な月となり、昨年10-12月期の成長鈍化は一時的なも のだったとの見方を裏付けた」

「3、4、5月の経済指標は、1月のような強い内容にならないと思う。 インフレ統計の内容は引き続き良好だろう。そうなれば、追加利上げがあった としても、連邦準備制度は政策金利を4.75-5%まで引き上げた後、利上げを 停止することになる。春に発表されるインフレや経済成長に関する指標に落ち 着きが見られれば、それ以上の利上げの必要性を感じることはないだろう」

○住宅市場について:

「連邦準備制度は、われわれと同様、住宅市場の動向を注視することにな る」

「これまでより急激な落ち込みがあれば、確かに米経済のマイナス要因に なるかもしれない」

「私が今日の議会証言から感じたことは、連邦準備制度が住宅セクターの 熱を若干冷まし、バブルを破裂させることなく、住宅価格を穏やかに上昇させ たいと考えていることだ」

◎野村セキュリティーズ・インターナショナルのチーフエコノミスト、デービッ ド・レスラー氏:

○証言について:

「バーナンキ議長はグリーンスパン前議長とほぼ同様の内容を証言するだ ろうと考えていた。それは、低インフレ維持に決意を示し、その方法について 何らかの示唆をすることだ」

○財政政策について:

「バーナンキ議長は2005年11月の指名承認公聴会で、公の発言や声明、 証言の内容を自身の責任範囲である金融政策に限ることを明言していた。今日 の証言でも多くの下院委員会メンバーが多数の問題について議長の意見を引き 出そうとしたが、議長はこれをうまく避けた」

○米財務省が中国を為替操作国と認定する可能性について:

「そのような手段を取ることは、財務省にとってまずいやり方だろう。為 替操作を持ち出す前に、すべての外交努力を尽くさなければならない」

「市場は、中国がとりわけ米債市場で重要な投資家であることを認識して いる。中国との関係を断ち切る、または弱めるような行動は、米市場を混乱さ せるものとみなされるだろう」

-- Editor: Rohner

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